相続対策の必要性と手段

相続対策というと「死」を意識しなくてはならないと感じ、先送りする方も多いのではないでしょうか。
当社で相続ハウスを立ち上げ、1年半が経とうとしておりますが、ご相談に来店されるお客様の約7割が相続を受ける側の方(相続人)が多いのも、そのような背景があるのかもしれません。
しかしながら、相続対策は、遺されるご家族のためにするもので、「死」を考えなければならないことだけにとどまりません。
今回は、なぜ対策が必要なのか、対策をしなかったことによってご家族にどのような災難が起こってしまったのか、どういう対策をすべきなのかを簡単にご案内したいと思います。

争族案件の増加

毎年、相続で争う件数が徐々に増えています。下の【グラフ1】をご覧ください。

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この争いが増えている理由ですが、近年、インターネットなどの普及やメディアで相続について取り上げられることが増え、相続人の方が以前よりも、より知識を得たこと、また、昔の日本は特に家督制度により、遺産は家長であるご長男へ遺すとの意識が強かったようですが、男女均等法が成立したことなどもあり、兄弟みな平等という時代になったことなどから、各相続人が「もらえるものはもらいたい」という意識を持つようになったことが背景にあると思われます。

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また、「うちは争うほど、遺産もないから・・・」とおっしゃる方はとても多いのですが、そんなことはございません。
右の【グラフ2】をご覧ください。争いが協議で終わらず、調停にまで発展してしまった割合の75%以上は、相続財産が5,000万円以下のケースとなっております。
これは、遺産が多い方は、事前の対策をしっかりされているからということもあると思われます。また、この争いが多い遺産額が5,000万円以下のケースでは、その遺産のほとんどが不動産で占められており、遺産をうまく分けることができないからという理由も考えられます。今まで仲がよかったご家族が、相続が発生してから、口も利かなくなってしまったというケースは、裁判にまではならなくても、思っている以上に多い印象です。

高齢化による影響

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年に1回、厚生労働省から平均寿命というものが発表され、毎年延びているのをご存知の方も多いと思います。右の【グラフ3】をご覧ください。
平均寿命は延びていても、実は、健康寿命(※)はそこまで延びておりません。
この間に、認知症が発症するなどして、ご家族等が介護している状況も多く見受けられます。この介護と認知症が相続対策を考える上で、非常に重要になってきます。といいますのは、介護をしている相続人及びそのご家族が介護をしていない相続人及びそのご家族に対して、遺産を少し多めに欲しいなどと主張し、反対に介護をしていない相続人及びご家族も平等に分けたいと主張するケースが考えられるからです。この点、相続をする方(被相続人)が健康なうちに、この点に配慮した遺言書などを遺しておくことで、ご家族が揉めるリスクを最小限に抑えることができるのです。
また、被相続人になられる方が認知症になってしまった場合には、その方がお持ちの財産を簡単には処分することができず、ご家族が困ってしまったり、相続人の誰かが認知症になっている場合、遺産分割協議ができないという ことにもなりかねません。こちらも、遺言書や民事信託、委任契約などを健康なうちに準備しておくことで、相続発生前後の手続きをスムーズに進めることができるのです。

相続税法の改正による影響

相続税法の改正は、ご存知の方も多いと思います。2015年1月に施行された改正で、基礎控除額の引下げがありました。そしてこの改正が、多くの方に影響してきております。それまで、最低6,000万円以上の財産がある方にしか関係のなかった相続税が、今では3,600万円以上ある方に課税の可能性が出てきたのです。これは、たとえば都市部である程度の自宅を持っていて、多少の金融資産があれば超える金額です。従って、人によっては、これまで考えたことのなかった対策をしていく必要性が出てきましたし、税額が大幅に増えた方も、今まで以上の対策が必要になってきました。特に、法人やそのまま利用することを前提として不動産をお持ちの方は、納税資金の工面に苦労する人も出てきています。この対策を元気なうちからスタートさせ、長期計画で節税したいとお考えの方もいらっしゃいます。

対策方法としては色々ありますが、例えば、生前贈与や不動産の購入、保険の加入などがあります。しかしながら、あまり深く検討せずに対策を実行してしまったことで、苦労されている方が非常に多いのも事実です。
その中には、相続税がどれくらいかかるかを全く分かっていない状況で、とりあえず対策される方や、生前贈与をしすぎて、老後の生活費が心配になってしまったという方もいらっしゃいます。対策をしたいと思っても、色々あって、ご自身の家族にとって1番良い方法が何なのかを迷われて、実行できていないという方もいらっしゃいます。
まずは、ご自身の財産を洗い出して、どのように分けたいと思うかを考え、その上で、どのような対策を行うかを検討してください。

相続ハウスでは・・・

相続ハウスでは、相続相談を幅広く受けている専門のコンサルタントが親身にお客様のお悩みを伺い、ただその道の専門家をご紹介するだけではなく、お客様の御意向をお伺いしながら、お客様にとってより最適なアドバイスやご提案をしております。
また、相続は専門分野が多岐にわたる内容でもありますので、その交通整理から、ご家族にあったオーダーメイドのご提案をいたします。お気軽にご相談くださいませ。

相続ハウスホームページはこちら http://souzokuhouse.com/

制作協力:株式会社マイティ・マイティ

執筆者

小嶋 由佳 氏

 小嶋由佳 氏