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経営計画書の策定・運用から策定・運用からKPI管理とコスト適正化へ

1.会社の成長過程で組織オペレーションに問題が生じる

エスネットワークスは、日本の中小企業を活性化させることを事業の柱としたコンサルティング会社です。 日本の中小企業には、優れた技術や生産ノウハウ、ユニークな企業理念を有している会社が多数存在していますが、一方でこうした強みを持ちながら、財務面や管理面が脆弱であるために、持続的な成長を果たせず苦しまれている会社も数多く見受けられます。 よくあるケースが、急成長した中小企業が拡大路線を図ったことがキッカケとなり、組織オペレーションの過ちまたは不備を引き起こし、取り返しのつかない結果をもたらす大きな要因となることです。
例えば、ビジネスの多角化を図り複数の事業を立ち上げていく過程で組織のマネジメントが適切に行われなければ、経営者と各部門の責任者の言動がバラバラとなり、社内にダブルスタンダードが生じる恐れがあります。 また、会社が掲げる目標が社員の行動レベルに落とし込まれないままでいると、経営者の理想がいつまでたっても実現されず、組織運営が空回りし続ける危険性があります。

2. 経営計画書で中小企業固有の問題を解決する

「社長と上司が違う指示を出す」など、好ましくないダブルスタンダードの蔓延等による組織の機能不全を防ぐための1つの手法として、「経営計画書」の策定・運用があります。 「経営計画書」とは、経営者や管理者の判断基準、社員の行動基準などが記載され、組織が1つの目標に向かって具体的に行動できる仕組み作りのためのツールです。 このツールを上手く活用することにより、社員1人ひとりの役割が明確となり、効率的かつ機動的な組織オペレーションの構築が可能です。

3.経営計画書の策定・運用のポイント

経営計画書の策定・運用においては、以下の3つのポイントがきちんと網羅され、かつそれぞれが有機的に繋がっている必要があります。

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価値基準の統一 併せる

まずは、社内の統一基準となる「経営計画書」を作成し、会社の理念・目標・戦略を明確にします。
社長の定性的な想いも、部長の定量的な目標も、突き詰めれば有機的に繋がっていて、実際には同じゴールを目指しているはずです。
そこを結ぶのが経営計画書であり、これを読めば板挟みに陥る心配はありません。

数値管理の徹底 分ける

経営計画書の作成に加えて、ビジネスプロセスを分解して、KPI(Key Perfoemance Indicator:重要業績評価指標)を設定・管理することが必要です。例えば、架電、アポイントの獲得、商談、契約といった営業プロセスのどこに問題があるのか。 特定のプロセスで数字が落ちている原因は何なのか。 それを発見したら、落としている行動要因を掘り下げていきます。いわば横軸でプロセスを捉え、縦軸で具体的な行動に落とし込んでいくわけです。その行動を定量化したものがKPIです。エクセルやSFA(Sales Force Automation:営業支援システム)で数値を集計し、週次・月次でPDCAサイクルを回していきます。

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人事評価の浸透 伝える

上記②においてビジネスモデルを「ロジック」と「プロセス」の両面から分解し、売上高や利益率ではなく具体的な行動指標に落とし込んだら、施策の効果とコストを考えKPIの相関関係を徹底的に分析します。そこで正の相関があることが確認できたら、実行管理の責任と権限を一致させ、人事評価項目にKPIの達成度合いを含めます。その際、行動は続けられる平易なものにして振り返る頻度を明確にするとともに、KPI・施策ともに常に見直しを図ることが重要です。

4. コスト削減ではなく適正化

企業成長の過程において中小企業が抱えやすい一番の課題は、経営が複雑化し全体最適ができないことです。 売上は伸びているのに利益が出ない。 コストを削減したら、売上まで下がってしまう。 企業規模の拡大につれ、こういったジレンマに陥りやすくなります。 利益創出のために一律にコストを減らすと、売上全体に悪影響が出かねません。 まずは社員の業務を分解し、売上に貢献している業務と、売上に影響を与えない業務を明確化する必要があります。 そして、利益率の低い業務を減らしていきます。 つまり、社員の行動単位で原価を計算し、コストを適正化する。 これはインダストリアル・エンジニアリングやアメーバ経営とも共通する考え方です。

5. 最後に

従業員数が100名を超えると、ヒト・モノ・カネの関係性がどんどん複雑化していきます。 経営者ひとりでは各業務の細かい構造を把握できなくなり、全体最適が難しくなります。 そこは1度立ち止まって整理することが必要です。 しかし、社内にそういった分析・実行スキルを持った人材がいない 。もし存在したとしても、他の既存業務で手一杯という企業が多いでしょう。 その際は外部の専門家にご相談いただくのがいいかもしれません。 業務プロセスの分解を通じて、改善の打ち手は必ず見つかります。 会社の理念・目標・戦略を現場の定量目標に落とし込むことで、1社でも多くの中小企業が利益低迷のジレンマから抜け出せることを願っております。

執筆者

松田 祥吾 氏

 松田祥吾 氏