ゲーム業界において存在感を高める ゲームプロモーター

世界のゲーム市場はソーシャルゲームへ急速に移行している

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日本、中国、北米のコンテンツカテゴリーにおいて、従来型のゲームソフト業界の売上は減少してきており、その市場は縮小傾向にある。対照的に、スマートフォンやタブレット端末によりソーシャルゲームがその市場を伸ばしてきており、ゲーム市場はゲームソフトからソーシャルゲームへ移行しているものと考えられる。

海外市場において存在感を高めるゲームプロモーター

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ソーシャルゲームの成長と同じく、プロモーションカテゴリーの成長を比較してみたい。本稿では、「映像・CM作成」、「芸能プロダクション」、「モバイルコンテンツ制作・配信」といった分野を「プロモーションカテゴリー」と定義する。日本、韓国、北米でプロモーションカテゴリーを比較すると韓国がこれらの分野の売上高の成長率が非常に高い。

アジア圏でのヒットタイトルとプロモーション戦略

アジア圏での代表的なヒットタイトルの例である「サマナーズウォー」、「マーベル・フューチャーファイト」、「Dragonblaze」では、プロモーションが重視されている。CMやCPIをメインとするブースト広告、大型の開発会社およびパブリッシャーのIMCマーケティングを通じて新規ユーザーを持続的に流入させる方式など多額のプロモーション費用が投入されている傾向にある。
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諸外国ではプロモーションがゲームをヒットさせるうえで重要な要素となってきているとの認識があり、特にモバイルゲームではリリース直後に一挙に認知を得ないと配信先のプラットフォームで他のアプリに埋もれてしまってユーザー獲得することが難しくなる傾向がある。そのため、ゲーム市場を開拓するうえでプロモーション戦略は重要な要素を占める。LINEのゲーム分野(「LINE GAME」)では67のアプリを配信し総ダウンロード数は6億500万件を突破している。また、App Annieの調査によれば、ワールドワイドで売上ランキングトップ5に2年連続ランクインしており、グローバル市場で大きく成長している。このLINE GAMEが初となるスマートフォン向け3DM MORPG「L I N Eクロスレギオン」を日本国内向けに配信、人気声優やアーティストを起用し、事前登録だけでも32万人を突破している(2015年10月末時点)。
また2015年11月にはセガゲームスとマーケティングパートナーとして提携し、12月に提携後第一弾として「フォルティシアSEGA×LINE」がリリースされている。LINE社では、LINEプラットフォーム上からの送客や機能の提供を行い、マーケティング面での機能を担う形となっている。
このように、日本国内の市場でも認知度の高いプラットフォームを持つ企業、強いプロモーションを提供できる企業の存在がソーシャルゲーム業界での市場展開のポイントになっていることが感じられる。

日本ゲーム業界がグローバル展開するための戦略

日本産業は従来からハードに強いがソフトに弱い傾向があり、特に、家電や携帯電話での分野でもマーケティング力に強い企業に、グローバルプロモーション戦略で先を越されている感がある。
ゲーム業界でも同じことが考えられ、プロモーションカテゴリーを伸ばしていくことが、日本でのソーシャルゲームのグローバル展開のポイントとなる。最近では数々の名キャラクターを生み出してきた任天堂とソーシャルゲームで成功を収めてきたDeNAが資本提携を結びグローバルソーシャルゲーム業界へ大きく打って出る。日本国内での2大プラットフォームである「mobage」を持つDeNA がグローバル市場でどのようにプラットフォームを拡大していくか、どのようなプロモーション戦略でグローバル展開をしていくか注目していきたい。

執筆者

平林 豊 氏

税理士法人エスネットワークス TAXアドバイザリー事業部 平林豊 氏

明治大学大学院グローバルビジネス研究科卒。一般企業で法人営業を経験後、税理士業界へ転身。都内税理士法人を経てエスネットワークス入社。入社後は、税務顧問、四半期決算業務、決算業務、デューデリジェンスを担当。最近では、ゲームやソーシャルネットワークを手掛ける企業の常駐支援により業務フローの整備などにも取り組む。担当クライアントにはゲーム業界が多く、業界の動向を理解した上での会計・税務支援をモットーとしている。