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クラウドとIoTの親和力~オリンピック後に伸びる パーソントリップ市場はここだ!~

01.2020年東京オリンピック効果による、来日外国人観光客のパーソントリップの増加!

2020年開催の東京オリンピックへ向け、来日外国人観光客の増加が見込まれている。それに伴い、外国人観光客のパーソントリップも増加する。東京オリンピックが開催される2020年には訪日外国人客数が、約2,500万人(2015年対比おおよそ1.6倍)になることが予測されており、スムーズなパーソントリップのインフラサービスが求められる。IoT親和性が高い旅行業界にとっては、IoTインフラ導入のまたとない機会である。

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02.外国人からみたIoT インターフェースの違い

スムーズな外国人パーソントリップの障壁となるのが、日本のIoT機器の特殊性である。例えば、日本の鉄道改札機では、ICカードを改札機にかざすと自動的に通れる仕組みが普及しているが、世界ではどうなのだろうか?

筆者は学生時代に世界一周の旅を行い、計27ヶ国もの海外改札機と日本の改札機の違いを日々感じていた。パリでは切符を挿入するタイプ、台湾台北市では切符としてコインを挿入するタイプ、韓国では切符挿入後に自らバーを押さなければならないタイプなど、各国には様々なタイプの自動改札機が存在する。パーソントリップが増加する日本の各都市では近年、外国人観光客が自国とは異なるタイプの自動改札機の前で立ち往生する姿が多数見受けられる。私自身も海外旅行中に何度か勝手がわからず、このように各国で異なる自動改札機が存在することが原因で使用者にとって不便な要因となっているが、日本と中国のように同一のタイプのものが用いられれば、その問題は解決すると考えられる。

一方で中国事例(写真)のように、日本と同じタイプの自動改札機が用いられる地域もある。

03.東京オリンピックはIoT インターフェイスのプレゼンチャンス!

2020年オリンピックは、外国人パーソントリップに対して日本のIoTインフラの先進性をアピールする絶好のプレゼンチャンスとなると筆者は考える。日本を訪れた外国人が日本のIoTインターフェイスを実際に使用し、最新のIoTインターフェイス技術の高さを目の当たりにすれば、それらのIoTインフラをシステムごとの輸出に結び付けられる可能性が生まれる。さらには、鉄道の改札機に限らず、銀行などの金融IoTインターフェイス、飲食店などでのサービス業における決済機能など、あらゆるパーソントリップの場面においてIoTデバイスを導入し、それがクラウドサイドにてビッグデータ解析や会計システム、経営管理システムとつながっている姿は、まさに世界標準化を促す教科書になるのではないだろうか。

04.オリンピック後にも伸びるパーソントリップ市場

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シェアリングエコノミーという新しい概念により台頭する代表的企業が2社存在する。1社目は、Airbnb。Airbnbサイトに登録したユーザーには、宿泊場所として所有スペースを登録するか、宿泊先として登録されたスペースを選ぶかの2つの機能を選択でき、旅行者とホストをマッチングさせる仕組みとなっている。2社目は、Uber。サイトにはタクシードライバーと乗車したいユーザーが登録できる。ユーザーはスマートフォン上で、出発地、目的地、出発時刻を設定し、タクシーへオファーを出し、その後マッチングが行われる。

2社に共通するのは、プラットフォーム型のビジネスモデルである点、シェアリングエコノミーの概念の元となっている点、金銭取引が全てインターネット上で行われる点などである。

この2社の台頭により、世界各地での宿泊地数は爆発的に増え、宿泊地の最寄駅から宿泊地までの移動回数も増加する見込みである。旅行の方法がより手軽になることで、今後よりパーソントリップ市場が拡大するのではないか?そうなると、今のうちからパーソントリップ市場に着目し、次の一手を考えておく必要がある。

Airbnbの利用者数の伸び

筆者は、今後はオリンピックに向けて伸びるパーソントリップ市場として、シェアリングエコノミー業界の動向を今後も追いかけて行こうと思う。

執筆者

佐久間 優 氏

株式会社エスネットワークス 産業調査室室長 佐久間優 氏

東北大学工学部卒。東京大学工学系大学院(工学修士)、ボストン大学経営大学院(理学修士)。外資証券会社、都市銀行を経て事業法人に転身する。民生電機、自動車部品メーカーを経て現職。民生電機、自動車部品、精密部品・切削加工・金型などのモノづくり産業から、TMT/ICT業界まで幅広い業界をカバレッジ。