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クラウドとIoTの親和力~IoTインターフェイスと産業の親和性決定要因とは?~

クラウドはSaaS/PaaSレベルアプリケーションの市場形成期

セールスフォースドットコムが、SaaS型アプリケーションをHaaS上に展開するPaaSという概念で、クラウド上でのシステム統合ソリューションを提唱し、この後、PaaSという新たなERPコンセプトが浸透しました。
SaaSでは無数の開発ベンダーがニッチ分野でのクラウドアプリ参入が可能になった結果、HaaSベンダーの開発プラットフォームの優位性が、業界標準インフラとして認識される重要因子になるに至りました。

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階層別サービスとベンダー(出典:Amazonホームページ)

階層階層別サービスベンダー
ApplicationSaaS( Sof tware as a Service)無数の開発ベンダー
PlatformP aaS( P latform as a Service)Saleforce.com / Google / Amazon / Mi crosoft
Infra structureHaaS / Iaa S
( H ardw are as a Service)
( Infrastructure as a Service)
GCP / AWS / A zure

 

1.Haa S ベンダーは、“クラウド3強 vs 独立SIerクラウド”の構造

HaaS/IaaSベンダーはAWS (Amazon Web Service)が先行してきました。
Amazon S3は、毎日30億個ものオブジェクトが新規追加を誇り、高アクセスに耐えうる安価なオンラインストレージサービスを提供しています。Microsoft Azureは、大企業向けOSを基盤にAPI/SQL/Marketplaceなどのキットにより開発環境に優位性を与えています。Googleは、HaaSリーダーシップにて出遅れ感がありましたが、GCP(Google Cloud Platform)は、ビッグデータ解析分野にてHaaS/PaaS型アプリケーションの差別化を図っています。
クラウドHaaSは、GCP、AWS、Azureの3強が牽引しながら、独立型SIerが追随する構図です。

クラウド陣営はIoT 親和力の高い産業にクラウドアプリケーション需要を見出す

クラウド陣営への追い風は、各産業でのIoTの広がりです。Amazon は「AWS IoT」を、Microsoft は「Azure IoTSuite」を発表し、クラウドベースのIoTプラットフォームをいち早く対応し始めました。DeviceGateway, Rule Database,Registryサービスは、AWS IoTからのデバイス情報とAWS上のHaaS/PaaSサービスを結びつけることを可能にしました。ただし、そのためには産業サイドでのIoTインターフェイスの標準化が前提になります。全産業を対象にIoTデバイスを開発することは投資効率が良くありませんので、クラウド陣営は、IoTと親和性のある産業を見極めることが必要になります。

産業横断的なIoTの標準化アプローチの動き

製造業やサービス業の産業横断的なIoTインターフェイスとなるデバイスには通信方式やデータ形式など標準規格の統一化が必要になります。グローバル標準化として、Intel、IBM, CiscoSystems, GE, AT&Tの5社が中心となったIIC(IndustrialInternet Consortium)がIoT標準化を目指しており、日本企業も参加しています。IoT標準化には、日本においても様々な組織による標準化活動が活性化しています。

クラウド陣営が優位性構築するためには、ターゲットとする産業の選択が必要

Amazonは、クラウドリーダーシップを、HaaS、物流、ECの三位一体型で戦略的に構築し、他のクラウドベンダーと差別化を図っています。

(出典:Amazonホームページ)

(出典:Amazonホームページ)

Amazonは、物流業者、EC業者に対して、POSによる個別認証化からBPR、連結会計までPaaS型クラウドアプリケーションを展開できることを可能にします。物流企業に対するSaaS/PaaS型クラウドアプリケーションの市場開拓により、サードベンダーが競って開発することが予測されます。
このような、強固なHaaS/PaaSはEC小売業に参入したい、強化したい企業からみて魅力的であるため、物流業界の再編に対してクラウドベンダーが強い主導権を発揮できます。

執筆者

佐久間 優 氏

株式会社エスネットワークス 産業調査室室長 佐久間優 氏

東北大学工学部卒。東京大学工学系大学院(工学修士)、ボストン大学経営大学院(理学修士)。外資証券会社、都市銀行を経て事業法人に転身する。民生電機、自動車部品メーカーを経て現職。民生電機、自動車部品、精密部品・切削加工・金型などのモノづくり産業から、TMT/ICT業界まで幅広い業界をカバレッジ。