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マーケティング拠点としてのベトナム 最近のベトナムの進出傾向

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ベトナムで東南アジア市場の「マーケティング」を

私の知り合いのスマートフォンアプリケーション開発企業の社長さん(40代後半)は、先日、ベトナムに拠点を設置しましたが、従業員は若い女性1名だけで、しばらく採用予定はないそうです。オフィスも都心にあるサービスオフィスのなかのシェアオフィスに机1つです。それで十分なのだそうです。「やることは、当面、マーケティングだから」、と。ただし、その従業員には1ヶ月ほど日本(東京)に来てもらって、ベトナムで取り組んで欲しいことについて会社の事業内容に照らしてしっかり理解してもらう期間を設けたようです。ベトナムはもちろん、それ以外の東南アジア諸国のことも彼女にリサーチしてもらい、それを開発のヒントとして、東京にいながらマーケティング活動を行おう、ということのようです。
ベトナムは、ご存知のように、東南アジアのなかでも平均年齢が若い国です。新しいものを試すのが大好きな若者がたくさんいて、いわゆる「お金持ち」も多く、うらやましいことに彼らもまた若い。つまり、国として全体的に若いです。これからどんどん所得を増やし、消費を増やしていく世代です。そしていずれは、新しい製品、サービスも彼らから生まれていく期待も抱いてしまう。そのような国に物理的に居住し、ニーズを感じ、研究することが、自社製品・サービスの開発につがらない訳がない。

大手メーカーも国内市場狙い

大手メーカーであれば東南アジアに製造拠点がない会社はほとんどないであろう。今、彼らの多くがベトナムで販売会社あるいは販売会社兼マーケティング会社の設立を検討しており、実際そのような会社の設立がベトナムで増えているのは事実である。タイやインドネシアで製造した製品をベトナムでも売りたい、あるいは逆に、ベトナムで売るためにどんな製品をタイやインドネシアで製造すべきか検討したい。

会社設立だけではない進出形態

マーケティングのためだけであれば、会社をつくる必要はありません。典型的には、「駐在員事務所」とよばれるものでも充分です。その他、ベトナム企業に資本参加して、協業することから始めるのもリスクを抑えた手法です。

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大事なのは「エース」を投入すること。究極は自分の息子を!

上述のとおり、考え方によって進出形態は様々ですが、どれを選択しようと、効果のカギは結局のところ人材です。「新しいチャレンジで、不確実性が高いから、最初はコスト?を抑えて様子見を」。なるほど経営の定石です。しかし、人材に関しては、「惜しまないでエース」を投入する必要があります。商売の成否だけを考えたら実子を出してもいいと思います。つまり、物理的に目の届かない離れた土地で任せるほかない状況のなか、上がってくる情報にある程度信頼感を持って聞き入れ、上手くいかない時期も我慢して待つことが、日本本社として許容できる人材であることが必要です。また、ともすれば錯綜しがちな情報のなかから有効な情報をかぎ分けて商売にする、あるいは、海外市場で新しい人脈を形成し、また異なる文化・商習慣のなかで上手くやりくりし、資金管理含む管理オペレーションも-これらはどれをとっても、エースを投入するに足る十分な理由になります。そうでなければ、日本から細かい指示を出すなど管理する部分が多くなり、またそのような管理も現地事情が分からないなかで行わざるを得ず、結局やり切れずに時間だけが過ぎて何も成果がない、ということになります。

制作協力:株式会社マイティ・マイティ

執筆者

木地 陽介 氏

 木地陽介 氏