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【連載記事】#05.わが国におけるPFIの現状と今後の展望

1. PFI(Private Finance Initiative)の市場規模

PFIとは、自治体が現に所有するもしくは今後建築する公共施設等について、民間の経営ノウハウとファイナンスを活かすことにより、公共施設等のマネジメントの効率化を実現し、地域住民へのサービスを最大化することを目的にするものである。
わが国においては、平成11年以降PFIが導入・推進されてきた。PFI事業数の推移は以下の通りである。

事業数及び事業費の推移(累計) ※平成27年3月31日現在PFI事業の実施状況

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2. PFIの今後の展望

昨今安倍内閣のもと、今後10年間で12兆円規模のPFI事業の実施が目標に掲げられている。
内閣府発表のアクションプランには、今後多額の維持更新投資が発生する上下水道(2~3兆円)や高速道路(3~4兆円)が重点領域として挙げられている。

PPP/PFIの抜本改革に向けたアクションプラン(概要)

平成25年6月6日 民間資金等活用事業推進会議決定

民間と地域の双方にとって魅力的なPPP / PFI事業として、今後10年間(平成25?34年)で12兆円規模に及ぶ下記の類型による事業を重点的に推進することとし、目指す類型ごとの事業規模及びその推進のための具体的取組は、下記のとおり。

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3.多様化する PFIプレイヤー

株式会社民間資金等活用事業推進機構(「機構」)が発足し、独立採算型・コンセッション方式のPFIに対するエクイティ出資を通じたPFIの支援を行っている。
機構においては、平成27年11月に関西国際空港及び大阪国際空港のPFI事業の支援(事業者はオリックスとフランスの空港運営会社ヴァンシ・エアポートによるSPC)を発表するなど、発足以来これまで10件の支援を行っている。機構の発足により民間事業者のより多くの参入も想定される。機構絡みの案件では、大和リース(大和ハウス系列)、三菱UFJリース、NECキャピタルソリューションなどのリース会社のほか、鹿島、奥村組、フジタなどの大手建設会社、地場の建設会社などの参画が見受けられる。
もともと公益性を有する事業をPFIの対象としているため、投資収益率が高くはなることはない一方、民間企業と比べボラティリティ(業績変動リスク)は低い。安定した投資リターンを求め、今後はプライベート・エクイティ・ファンドなどプレイヤーの拡大も予想されている。米国ほか海外においては、エネルギー・運輸系のインフラ事業をターゲットとしたファンドの組成が先行しており、IRR(内部収益率)も10%~20%を中心となっている。

4.多様化するPFIプレイヤー

PFIについては過去の経験が無い自治体が多数派であるため、PFI事業の円滑な実施にはアドバイザーを選任することが適当である。建築・土木技術的な評価もさることながら、金融・法務分野では細やかな項目の確認作業が必要となる。特にPFIにおけるリスクの洗い出し、VFMの定量化についてはPFI実施時点のみならず、運営期間中のモニタリングにも関わってくることから、留意が必要である。
また会計上、民間事業者とのリスク負担割合によっては、自治体のバランスシートからオフバランスできないケースもある。

執筆者

NEXT CFO 編集部

 NEXT CFO編集部

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