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中小企業の海外進出の考え方【前編】~ベトナムの中間層・富裕層の消費市場をねらう~

ベトナムの中間層・富裕層の消費市場をねらう

海外でビジネスを始めてみませんか?
手始めにアジア、成長著しいと言われる東南アジアではどうでしょうか?
例えば、ベトナムは、いいかもしれませんね。

海外進出の一般的イメージ

海外進出というと、硬い、難しp10_img01いようなイメージがあります。
まず、外国には旅行で行ったことがあるかも知れませんが、基本的には勝手を知らない土地ですから、そこで商売を立ち上げるイメージ、そこで儲かっている自分をイメージすることができません。

旅行ならともかく商売をするには言葉が通じないだろうし、英語も、自信がないというか、そもそも会話で使ったことがない。文化も違えば、現地の法律知識もない。それに、自分には日本に家庭もあるし、お金があるわけでもない―――

実際の行動は思考停止

そういうわけで、大体の人が海外で商売をp10_img02することに身構えてしまいます。結果、海外進出はしない。ですが、そう結論付けたわけではなく、一応「将来の」選択肢に入れている。しかし、年数が経過し、若干焦りはある。ただ、そのきっかけがない、いや、自らきっかけを作りにいかない、その思い切りが出て来ない。要するに、「海外市場は魅力的」だと思っているが、よく分からないため、苦手意識が先行し、「日本にいるとあまり情報が入ってこない」「検討はしているが現業が忙しくて本格的に取り組むには時間がない」「検討する人材、実行する人材我が社にはない」などの理由で、普段あまり考えないようにしている。
そういう状態の人が多いと思いますが、それはわれわれ日本人にとってはよく見聞きする、至って普通のことに思います。

まずやってみて、それから考える

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「知らなくていいから、来て、何かをやり始めましょう。やり始めれば、何とかなる、何とかやりくりする。それが人間だから。海外とはいえ人間同士だから。」
これが今回、筆者が提案したいことです。
勝手を知らない海外といってもそこにあるのは人ですので、美味しい、美しい、嬉しいなどの感情は同じです。ですので、その共有はすごく簡単ですし、伝えたいことのほとんどのことが表情や身振り手振りで何とかなることが多く、本当にどうにもならないことは意外と少ないと割り切って考えてみることが重要と思います。
筆者も先日、長崎で行われたベトナムセミナーの講師をさせていただいたのですが、その日の午前中にそのセミナーを主催する税理士事務所の所長さんに言われましたのは、「日本人はいいものを持っていて、いい仕事をするけれど、それを外国に行って売り込むような勇気がない。ポイントはただその勇気というものだけだ。だから、外国に出て行って、小さいことでもまず始めてみようかなという勇気が出るような話をしてほしい。
この競争の激しい日本で商売をやってきた人であれば、外国に行ったって、例えばコーヒーやお花を売ったりすることぐらいその気になればできるだろう。どうも外国ということで商売を難しく考えている。やっぱり日本人は島国の人なのかなぁ」と。

大企業とは違う。コンプライアンス至上主義とFSの罪。

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「FS」という言葉をご存知の方が多いと思いますが、近年日本人ビジネスパーソンの間でも一般的に使われるようになりました。Feasibility Study(フィージビリティ・スタディ)の略ですが、辞書によりますと「実現可能かどうかを検討するため、事前に予備的に行われる調査・研究を指す語」とありました。
新規事業、ましてや海外市場に取り組むのであれば、競合する製品や企業、価格、将来の売れ筋予測などの市場特性をきっちり調べることはもちろん、それらを前提として最終的にはいかに採算が取れるのかを5年、10年の事業計画として数字でまとめ上げ、また、現地の法律規制や税金、現地の人材の特性や労働関連法なども調べて――――――結果、分厚いレポートが出来上がる。
そういった取り組みは、海外展開におけるFSと言われ、事前のリスク判断や進出後の運営の円滑化のために非常に重要な行動だと思いますが、現実的には、はっきり言って、日本にいながらそこまでの取り組みができる人的・金銭的余力のある企業は、残念ながら大企業にかぎられます。逆に、大企業においては、それこそコンプライアンスのため、そのような事前のスタディとその文書化、それに基づく合議、稟議、決裁といった何段階・何階層にもわたる社内プロセスなしに、インパクトのあるアクションを起こすことができません。

中小企業はやりながら試行錯誤するスタイルしかない

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とすると、中小企業はもはや「準備そこそこ、まずは進出してみる」というアクションしか選択肢がありません。実際に、現地のことは現地にいないと、現地でやってみないと分かりません。また、どうやったらうまくいくのかという本当の戦略もトライ&エラーなしに見えてきません。
いうなれば、FSしながらの事業展開です。その証拠に、あれだけ時間と人(お金)をかけてFSを行い進出した大企業(の現地駐在員)の悩みも、特に大した調査をせずに進出した中小企業(の現地駐在員)の悩みも、似たり寄ったりです。
要するに、FSしようともしまいとも、来て始めてみないと本当のことは分からない、何が起きるかわからないということであり、現地で起きた問題や課題への対処や取り組みこそが会社の貴重な時間とお金を使う部分であると思います。

前編のまとめ

1.中小企業の海外進出は、事前調査そこそこに、まずは現地で何かをスタートしてみる。
2.現地のことは、日本をベースに事前調査をいくらやっても見えて来ず、現地で何かに取り組んで初めてわかることばかりであり、そもそも中小企業にとって事前調査にかける時間も人材もお金もない。
3.現地での商売ノウハウは現地で実際にトライ&エラーをするなかでしか身に付かないし、現実的な戦略も見えてこない。

制作協力:株式会社マイティ・マイティ

執筆者

木地 陽介 氏

 木地陽介 氏