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【連載企画】#03.地方自治体に対する支援について

前回地方自治体の支援についてお話ししましたが、その中で触れました「固定資産台帳」についてご紹介します。

自治体が整備をすべき固定資産台帳は以下の項目とされています。
(出典:総務省「今後の新地方公会計の推進に関する研究会報告書」)

まず最初としてはこれらのうち、「①基本項目」の50項目を整備していくこととなります。 ①基本項目は、固定資産台帳に必須の項目とされています。
自治体は道路や橋りょう、水道管などのインフラ、学校や病院などの公共事業用資産といった、「資産」のかたまりです。今回の公会計においては、自治体が持っている「資産」について下記のような基礎的な情報を、まずは一覧表にしようというのが趣旨です。 この一覧表が「固定資産台帳」と言われるものです。

1.いつ(どの年度に取得した)
2.どこに(所在地)
3.だれが(どの課)
4.どれだけ(数量、金額)
5.どのように(売却可能性があるか、など)

前回でも軽く触れましたが、いままでこういったストック情報は、自治体では記録する習慣がありませんでした。今回固定資産台帳を整備することで、自治体がどういった資産を持っているのか「見える化」できることになります。

また、②追加項目として、稼働率や、運営時間、職員人数、ランニングコスト、利用者数などの記載も求められます。 ①の基本項目が、「過去のストック」を示し、②の追加項目が自治体の資産のパフォーマンス情報となります。 ①②をセットで見ていくことにより、どの資産を残す・残さない、また残す場合にはどうする(施設を統合する、更新する、長寿命化する)という「資産を活用する」財務施策につながっていくのです。

 新地方公会計モデル
基準モデル
総務省方式改訂モデル
①基本項目
新地方公会計
モデルに項目を追加
項目の説明②追加項目
公共施設マネジメント等に活用するための項目を追加
1番号番号資産の番号 
2枝番枝番同一の資産について計上を区分したい場合等の枝番 
3 所在地資産の所在地 
4所属(部局等)所属(部局等)資産を管理している主たる管理部署 
5勘定科目(種目・種別)勘定科目(種目・種別)適用する勘定科目 
6件名(施設名)件名(施設名)資産の名称 
7リース区分リース区分所有物かリース資産であるかの区分 
8耐用年数分類(構造)耐用年数分類(構造)適用する耐用年数の種類 
9耐用年数耐用年数適用する耐用年数の年数 
10取得年月日取得年月日取得した年月日 
11供用開始年月日供用開始年月日供用開始した年月日 
12取得価額・取得価額相当額取得価額等取得価額等 
13 所有割合当該資産について保有している所有権の割合 
14増減異動日付増減異動日付前年度から資産が増減した場合の日付 
15増減異動前簿価増減異動前簿価資産の増減を反映する前の簿価(期首簿価) 
16増減異動事由増減異動事由増減が異動した事由 
17今回増加額今回増加額異動により増額した金額(18~23の合計) 
18今回
増加
内訳
有償取得額今回
増加
内訳
有償取得額有償で取得した増分の金額 
19無償所管換増分無償所管換増分無償で所管換した増分の金額 
20その他無償取得分その他無償取得分その他無償で取得した増分の金額 
21調査判明増分調査判明増分年度内調査により新たに判明した増分の金額 
22振替増額振替増額別科目から振替した増分の金額 
23評価等増額評価等増額再評価等を行った増分の金額 
24今回減少額今回減少額異動により減額した金額(25~31の合計) 
25今回
増加
内訳
除却額今回
減少
内訳
除却額除売却した減分の金額 
26無償所管換減分無償所管換減分無償で所管換した減分の金額 
27その他無償譲渡分その他無償譲渡分その他無償で譲渡した減分の金額 
28誤記載減少分誤記載減少分年度内調査により新たに判明した減分の金額 
29振替・分割減額振替・分割減額別科目から振替した減分の金額 
30減価償却額減価償却額当年度の減価償却費相当額 
31評価等減額評価等減額評価等減額 
32増減異動後簿価増減異動後簿価(期末簿価)増減異動後簿価(期末簿価) 
33 会計区分資産の会計区分 
34予算執行科目予算執行科目取得時の予算科目名(予算科目が複数に渡る場合もあるので、複数用意する) 
35用途用途資産の用途 
36事業分類事業分類使用されている事業分類名 
37開始時見積資産開始時見積資産開始時の固定資産について、
取得価額・取得価額相当額、取得年度が判明せず、
直接開始簿価を評価した場合のフラグ
 
38各種属性情報各種属性情報その他で管理すべき付加情報 
39売却可能区分売却可能区分売却可能資産であるか否かの区分 
40 時価等売却可能資産の場合の売却可能額
(その他の資産の場合、任意記録可)
 
41完全除却済記号完全除却済記号当該資産を除却した場合のフラグ 
42 数量((延べ床)面積)資産の数量、(延べ床)面積 
43 階数(建物)資産が建物の場合の階数 
44 地目(土地)資産が土地の場合の地目 
45 稼働年数資産の稼働年数 
46 目的別資産区分目的別の資産区分 
47 減価償却累計額減価償却費の累計額 
48 財産区分(行政財産・普通財産)公有財産台帳上の財産区分 
49 公有財産台帳番号公有財産台帳上の財産区分 
50 法定台帳番号法定台帳の番号とのリンク?取得財源内訳
51取得財源内訳  耐震診断状況(建物)
52   耐震化状況(建物)
53   長寿命化履歴
54   複合化状況
55   利用者数(件数)
56   稼働率
57   運営方式
58   運営時間
59   職員人数
60   ランニングコスト
執筆者

高桑 昌也 氏

株式会社エスネットワークス 地域開発事業本部 公会計サポート室 室長 公認会計士・税理士 高桑昌也 氏

慶應義塾大学卒業後、金融庁検査官を経て現職。地方自治体の財務アドバイスが専門。明治大学会計学特別講義(国際会計基準)講師、著書多数。