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自動運転を実現する「環境認識×リアルタイム制御」のAIアルゴリズム

この記事は2016年10月発行のエスネットワークス産業調査レポート vol.4より転載しております。

CFOだけではなく、経営に携わる方であれば、常に自社の業界をはじめ、各種セクターの動向に目を向け、ビジネスの次の一手を考えられていることと思います。産業調査レポートは注目が高まるIoTやXaaSサービスを中心に各業界の動向をまとめております。

01 自動運転の誤作動問題

2016年は自動運転元年である。テスラ、Googleなど自動運転機能実装車が公道を走ることが現実となった。しかし、自動走行中の死亡事故発生により、自動車により安全な走行に繋がる技術の採用が急速に進む見方が出ている。
ゴールドマン・サックスによると、先進的な運転支援システムおよび自動運転車の市場規模は2015年の約30億ドルから、25年には960億ドル、35年には2,900億ドルに達する見通し。そのうち、半分以上はレーダー、カメラ、LIDAR(レ一ザ一を使ったセンサ一)が占める見込みだという。これらはすぺて自動運転車の製造に必要不可欠とされるツールだ。前出の自動運転車のオートパイロットシステムはカメラとレーダーを使用しているが、LIDARは利用していない。明るい空を背景に、前方にいた白いトラクタートレーラーの識別ができなかったのではないかと思われる。晴れの日などの通常環境では問題なく動作が行われるが、特殊環境では適切に動作が行われない可能性がある。
この衝突事故をきっかけに、LIDARを含む複数のセンサ一を組み合わせるなど、自動運転のリアルタイム制御に技術的な解決が必要なことが認識された。

<自動運転が誤作動を起こしうる状況>

アセット 9

 

02 環境認識アルゴリズムの仕組み

<現状の自動運転車の概要>

①自動車だけで必要なすべてのデータを収集する方法として、自動車に搭載したセンサーやLIDARのミリ波による物体認識とカメラを使用した画像処理による物体認識がある。
②自動車に搭載したセミナーでは捉えきれない情報を収集する方法として、道路に設置した路側システムや、周囲を走行する自動車や歩行者などと通信して取得する方法がある。

<現状の自動運転車のアルゴリズム>

インプットデータは、「環境認識系」と「リアルタイム制御系」に分かれ、処理するAIアルゴリズムは本質的に異なる。深層ラーニングによる環境認識アルゴリズムは、街の道路状況(信号、街灯、交差点、標識など)を取得し、データベ一ス化する。これらの情報と運転情報(ブレーキ、交通量が増えるポイント、急発進急加速など)を組み合わせて学習し、「どこにどのようなリスクがあるか」をメタデータ化する。

<深層ラーニングによる環境認識アルゴリズム>

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03 リアルタイム制御の技術的課題の取り組み

実用化にはさらに複雑な交通環境下での実証実験データの積み上げが必要とされている。

①単純な交通環境から、複雑な交通環境へ-自動車専用道・高速道路から、一般道や市街地路での歩行者、自転車、障害物等への対応
②単純な交通環境から、劣悪な交通環境へ-好天・乾燥路面から、視界不良路面(逆光、吹雪、死角、トンネル出入口)、低摩擦係数路面(湿潤路、積雪凍結路)

筆者が住む北海道では、すでに全国最多の28の自動車テストコ一スがあり、届出制による公道での実証実験も行われている。
北海道自動車安全技術検討会議の取り組みとして、自動走行の実証試験に対するワンストッフ相談窓口の設定を行い、①関係各所への事前連絡の円滑化②企業の開発ニーズに応じた公道実証試験の適地選定の情報提供③自動車安全技術に関する道内企業の紹介・マッチング④テストコースや研究開発施設の新増設に関する各種支援制度や関係法令に関する諸手続きなどの紹介・相談などを行っている。
今後の自動走行の実証実験に向けて、公道実証試験モデルコースの設定や企業各社が共用可能な市街地実証試験場(テストコース)の誘致の必要性を検討している。

 

04 「行動予測×リアルタイム制御」のAIアルゴリズム

リアルタイムで環境メタデータに接続するコネクテッドカーのような完全運転支援システムを自動走行システムに移行することにより、車両の状態や周囲の道路状況などの様々なデータをセンサーにより取得し、ネットワークを介して集積・分析を行うことで、ビッグデータ内でのパターン認識、機械学習が行われる。それにより、通常環境データでの深層学習や特殊環境データでの深層学習による「人工知能の育成」が施され、認識確率を高めること自体が付加価値となる。

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執筆者

NEXT CFO 編集部

 NEXT CFO編集部

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