• ホーム
  • インタビュー
  • 澤穂希×須原伸太郎(エスネットワークス代表)対談! 実はボランチ=最高財務責任者(CFO)に近かった?

澤穂希×須原伸太郎(エスネットワークス代表)対談! 実はボランチ=最高財務責任者(CFO)に近かった?

CFOとボランチの関連性とは?

女子サッカーの“レジェンド”として、引退した現在もなお注目を集める澤穂希さん。そんなサッカーの専門家と、経営と財務の専門家であるエスネットワークス代表の須原伸太郎が、このたび対談を果たした。まったく畑の違う両者にはとある類似性が!?

DSC08187_

須原伸太郎(以下須原)「澤さんのキャリアの前半は、フォワードや攻撃的MFというポジションが多かったようですが、なでしこジャパンの佐々木監督が初めて澤さんをボランチのポジションで起用しました。ボランチという立場を初めて与えられた頃の心境はどうでしたか?」

澤穂希(以下澤)「守備も攻撃もできるボランチというのが、自分の中ではイメージできていなくって。システムが4:4:2のフラットになったとき、『あれ、私ポジションないな』って思ったんですよ。そこで当時、マンチェスターにいたボランチの選手のプレーをビデオで見て勉強しましたね。佐々木監督や一緒にボランチを組む選手、サイドバックの選手と話しながら、自分なりのスタイルを探した感じです」

須原「私たちの会社(エスネットワークス)は、コンサルティング会社でして、数字とお金に強い人材が集まっています。数字とお金を扱うプロフェッショナルをCFO(最高財務責任者)と呼ぶわけですが、私たちはCFOの育成を柱のひとつとしています。実はCFOってボランチに近いと思っていて、守備と攻撃のバランスが求められるんですよね。ちなみに澤さんにとって、サッカーにおける攻撃と守備にどのようなイメージをお持ちですか?」

「守備がしっかりしているチームは強いですし、守備あっての攻撃だと思うので、守備は絶対ですよね。最初のころは前に行きたい思いが強く、ボランチを組んでいた阪口(夢穂)選手の能力が高かったので、結構攻撃もしていましたが、やがて守備もできるようになり、ボランチというポジションにしっくりとはまり、面白い!と思うようになったんです」

守りながらも果敢に攻める!
CFOとボランチも、危機察知と予測、判断が大切

守備と攻撃のバランスはCFOに求められる最重要の素養。ビジネスにおける財務の専門家は多いが、CFOは財務の専門能力に加えて自ら意思決定し、実行し、責任を取れる人。経営者であり、専門家。攻撃担当かつ守備担当。当然、経営全体を俯瞰する能力が必要です。澤さんもボランチに向くのは、「ピッチ上での視野が広くチームをコントロールできる人」だという。

澤穂希さん

須原「澤さんは、著書で『ボールが落ちてくるところがわかる』と書かれています。また『それは教えられないし、気づいたらそこにいる』ともおっしゃっていて。ボランチにとって一番必要なのは、危機察知能力といえるのでしょうか?」

「危機察知能力、言い換えれば予測と準備ですかね。ボランチの位置だと360度敵が来るから、常に周りを見ていないと。1秒でガラッと周りの状況が変わるので。だからもう、ピッチ上で自分は常に首を振ってました(笑)」

須原「そういうスキルって、パスやドリブルとはまた違って、伸ばすのは難しいですよね?経営においても、『会社がこのままだとこうなる』という予測や判断は、すごく難しくて。その磨き方を社内でも議論するんです」

「サッカーの場合、ある程度技術で、こうしたら相手はこう行くだろうという誘導はできます。でも基本は、ピッチで何度も経験することです。何度も失敗を繰り返して、似たような形のシチュエーションを作ってシミュレーションを重ねることですね。最初はどうやって守備をしてボールを取ったらいいかわからなかったですが、やっていくうちに慣れていくということですね」

ひとりではなくチームで意識を共有する。
どんなときも全力で対処すること

CFOは、理屈だけでは育たないと考えられている。知識とスキルを持つアソシエイト。問題をひとりで解決できればシニアアソシエイト。人を使って作業ができればマネージャー。大きな組織でもその仕事を任されたらシニアマネージャー。現場で経営経験を重ねることで、ようやくCFOへの道が開く。

須原「経験による勘って大事です。天性の部分もありますが、努力で培えることが自信に繋がりますからね」

「ただ、そこでもチームとしての意思が大事ですよね。個人競技と違って、一人が調子良くてもダメで、みんなが同じ目標に同じモチベーションで向かわないとうまくいかない…とすごく思います」

須原「そういうところ、澤さんらしいですよね。『理不尽があっても、チームのためなら耐えられる』とおっしゃっていましたし。それに串刺しされている気持ちが、“プロフェショナル”だと思うんです」

「私にとってプロとは、常に手を抜かないということです。現役生活の最後にINAC神戸でやっていたときは、年齢的にもかなり疲れやすくなっていたんですが、そこで手を抜いたらもう後がないと思って。だから練習から120%の全力でやっていました」

DSC08138

ビジネスにおいても、
自分なりのボランチを目指してほしい

須原「では最後に。CFOをボランチとするなら、CFOを目指す人、ビジネスで頑張ろうとする人たちへ、勇気が出るようなメッセージをいただけませんか?」

「そうですね。ボランチはこういう人、こういう選手でいなくてはいけないっていうのは全くないし、いろんな種類のボランチの選手がいると思うので何より、自分らしさ、自分色のボランチを目指して欲しいなって思います」

須原「なるほど!ところで澤さん、会社でCFO目指してはいかがですか?」

「いや、絶対ムリムリ!私はサッカーの専門家ですから(笑)」

 

【プロフィール】

澤穂希

1978年東京都生まれ。元サッカー女子日本代表。2011年、FIFA女子ワールドカップドイツ大会で得点王とMVPを獲得。同年、FIFA年間最優秀選手(バロンドール)を受賞。日本の女子サッカー人気を支える立役者として、数々の活躍を見せる。2014年、AFC初代殿堂入り。オリンピック4大会に出場し、ロンドン大会では銀メダルを獲得。ワールドカップ6大会連続出場は、ギネス世界記録。日本代表では、通算205試合に出場し、83得点。2015年12月に現役引退を発表。

執筆者

NEXT CFO 編集部

 NEXT CFO編集部

CFOを増やすことで日本国経済をちょっとよくしたい! もっとCFOについて、知ってもらいたい。CFOに興味を持ってもらいたい。CFOになろうと考えてほしいと願っております。