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M&A交渉人養成プログラムvol.3 社内交渉プログラム バリュエーション対決<戦略構築編>

この記事は2016年7月発行のエスネットワークス産業調査レポート vol.3より転載しております。

CFOだけではなく、経営に携わる方であれば、常に自社の業界をはじめ、各種セクターの動向に目を向け、ビジネスの次の一手を考えられていることと思います。産業調査レポートは注目が高まるIoTやXaaSサービスを中心に各業界の動向をまとめております。

M&A交渉における華:バリュエーション対決

交渉最前線での交渉人には、交渉相手が提示する論理展開に対して、あらゆる会計・財務・税務の観点から反証する技量が求められます。 バリュエーション対決は「真理の追究」ではなく「反証理由の論証」となり、ディベートの様相を呈します。

➡️一物多価を一物一価に定める評価技術

セルサイド、バイサイドは公正価格範囲内で価格交渉を行い、一物一価に定めます。 資産の多くは、一物多価です。価格交渉によってコミッテッドバリュー(一物一価)が定まり、会計上の帳簿に記載されます。 価格交渉が暗礁に乗り上げたときに、バリュエーション対決に発展します。

➡️3つのツールを使いこなして交渉戦術を組み立てる

戦略的FCF、戦略的デューディリジェンス(戦略的DD)、戦略的バリュエーションを駆使して、価格交渉戦略を構築します。 「戦略的」は、FCF生成式の調整項目を交渉ターゲットとして、FCF生成式の解釈を自陣に有利な方向に導くことを意味します。 FCF生成式の調整項目 戦略的バリュエーション 戦略的DD FCF生成式の調整項目ターゲットとして、自陣有利に交渉を導くストーリーを自ら構築します。

アセット 1

 

戦略的FCFの生成

交渉戦略の初めのターゲットは、FCF生成式の調整項目です。

戦略的FCF =営業利益税金設備投資減価償却±運転資金の増減±調整項目

FCF生成式に調整項目が入ることにより、解釈の余地が生じます。FCF生成式を自在に操ることが、バリュエーション対決を有利に導く大前提です。

 

戦略的DDのターゲットポイント:実態性の精査

実態性には、実態収益力、実態純資産、実態FCFがあります。戦略的DDで精査ターゲットを絞り込み、価格交渉戦略に落とし込みます。

アセット 4

 

【ポイント!】戦略的DDで狙う3つのグレーゾーン

  

①資産の時価評価と含み損益のグレーゾーン:税制非適格ディールの場合は、資産は時価評価されますので、
                                                                          含み益/含み損は交渉カードです。

②会計と税務の違いによるグレーゾーン        :償却資産と非償却資産、のれんの適切性、研究開発費用、退職給付
                                                                           引当金の評価など、会計と税務の差異は交渉カードです。

③それ以外のグレーゾーン                            :余剰資金と運転資金、アンレバードFCF、オフバランス資産など、
                                                                          監査済みでない科目は交渉カードです。

 

 

戦略的バリュエーション:交渉用と説明責任用のフットボールチャート

交渉実戦用のフットボールチャートは、自陣に有利な戦略的主張をするための道具です。戦略的DDにて価値評価に影響を及ぼす可能性のある科目を明確化し、自陣の交渉戦略を明確化します。

アセット 5

 

【ポイント!】フットボールチャートを操る戦略的発想法

アセット 6

執筆者

NEXT CFO 編集部

 NEXT CFO編集部

経営者・管理職にCFOの役割を広めたい!CFOが活躍する社会をつくることで、日本経済を活発にしたい!そんな想いでNEXT CFOのメディアを運営しています。