地方創生と都市サービス機能のIoT汎用化プレイヤー

この記事は2016年7月発行のエスネットワークス産業調査レポート vol.3より転載しております。

CFOだけではなく、経営に携わる方であれば、常に自社の業界をはじめ、各種セクターの動向に目を向け、ビジネスの次の一手を考えられていることと思います。産業調査レポートは注目が高まるIoTやXaaSサービスを中心に各業界の動向をまとめております。

01 都市サービスの自由化 ➡️ 欧米の電力自由化から学ぶこと

2016年4月より、日本における電力小売が自由化されました。現在、小売電気事業者の登録数は約200社です。2017年には都市ガスの小売自由化も控えており、これまで一部の企業による独占状態であった都市サービス機能が自由化することによって、自由競争が促され、市場原理に従って料金が適切化される(=下がる)ことが期待されています。しかし、欧米では20年前に電力自由化がなされましたが、結果として電気料金は上昇しました。その要因は石油価格、為替変動、地政学的要因など複雑ですが、必ずしも無条件の規制緩和によって、市場原理が働くとは限らないことがわかります。適切に市場原理が働かなかった1つの要因として、業界参入が自由化されたとしても、大企業による半寡占状態となってしまっているということが考えられます。市場原理を働かせるためには、地方の中小企業による新規参入が必要となり、重い初期設備投資を避ける仕組みが求められます。

アセット 1

 

02 都市サービス機能を支える「汎用ソフト」の必要性

資本の少ない地方の中小企業が大きな資本を持つ大企業に対抗するために、初期投資なしで都市サービス機能事業に参入するためにはどうすればよいでしょうか。まず、要素として、都市サービスを「インフラ(ハード)」と「汎用ソフトウェア(ソフト)」に分類します。汎用ソフトは、インフラのオペレーション概念の汎用化(規格の標準化)を可能とし、インフラ投資を効率化させることが可能です。つまり、汎用的なソフトウェアを導入すれば、中小企業でもインフラ投資に集中することができ、競争力を増すことができます。

汎用ソフトに求められる要素

1️⃣既存システムとの連携性 
 中小企業が既に使用している財務会計ソフトや生産管理ソフトとのデータ連携ができないことには、汎用ソフトといっても、中小企業への導入によるシナジーが薄れてしまいます。これまでのERPソフトとの連携は必須といえるでしょう。

2️⃣地域間格差をなくす汎用性
地域間格差を是正するためには、IoTデバイス、並びにパーソントリップデータを収集できるような仕組みが必要です。MQTTのようなIoTデバイスプロトコルに準拠する必要があるでしょう。

3️⃣IoT時代への対応
パーソントリップビッグデータを収集できたとしても、地域戦略差異の現状分析が可能なアウトプットが出せなければ、効果が薄くなってしまいます。IoTで集めたデータをさらにMA(Marketing Automation)等に活用できて、汎用ソフト化といえます。

 

03 都市サービス機能の汎用部分事例

交通、医療、行政、農政などの都市サービスにおいて汎用的な部分の事例

1️⃣公的ネットワークの汎用性   
LGWAN(総合行政ネットワーク)は、地方公共団体を相互に接続する行政専用のネットワークです。地方公共団体相互間のコミュニケーションの円滑化、情報共有の高度化を図るために整備されました。LGWAN上で民間業者がASPとして提供することが可能であるため、民間との汎用ソフトとして期待されます。

2️⃣パーソントリップデータ収集と マーケティングの汎用概念
   パーソントリップデータ(個人の行動様式)を取得し、地域間分析することにより、都市サービスの地域格差を分析することができます。地域において、サービスレベルの優位性、劣後性を比較し、現状を把握することによって、選択と集中の戦略を構築できます。

パーソントリップデータ収集とマーケティングの汎用概念アセット 2

 

04 都市サービス機能の汎用化プレイヤー ➡️ 産官学金の連携

インフラの価値を高める汎用的ソフトウェアとして、都市サービス汎用化ツールとしてのIoT+PaaS市場を形成するプレイヤーに着目します。

アセット 3

プレイヤーの多様性:事業主体者、開発者、プロデューサー、投資家

1️⃣開発者 
1. PaaS基幹システム開発者:既存システムとの連携性を確立
2. 汎用API開発者:地域間格差をなくすIoTデバイスの標準化機器導入
3. ディープラーニングエンジン開発者:インプットデータの解析ツール標準化
4. Sier、統合コンサルタント:基幹システムと新機能の統合と運用への落とし込み作業

2️⃣プロデューサー 
問題解決情報として、点を線にするプロデューサーの役割

3️⃣投資家 
地方創生ファンド、地方自治体(地方創生加速化交付金等)、銀行

 

執筆者

NEXT CFO 編集部

 NEXT CFO編集部

経営者・管理職にCFOの役割を広めたい!CFOが活躍する社会をつくることで、日本経済を活発にしたい!そんな想いでNEXT CFOのメディアを運営しています。

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