人材育成・キャリア理論~若手育成における視点~

人生100年時代を迎えた今、従来のメンバーシップ型の働き方は個々人のキャリア形成にあてはまらなくなりつつあります。

例えば兼業・副業を許可する企業も出てきており、定年の年齢も今や70歳に引き上げるという話すら聞こえます。
そうなるとますます働き方は多様となり、画一的な育成から個々の意向を踏まえた育成へとマネジメントも柔軟に対応する必要性が出てきます。

今回はキャリア理論上20~30代がどのように捉えられていているかを確認したうえで、
マネジメントの立場として、昨今の変化をどう対応していくかをお伝えいたします。

 

 

キャリアを描く時の視点

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ここでは、キャリアとは「仕事や職業、学習、自由な時間、家族や、社会との関わりを含む、
人の働き方の過程(プロセス)」と定義します。
キャリアを描く時の視点として、「仕事」「学び」「余暇」「家族・恋愛」「健康」「マネー」などがあり、
これらをバランス統合していくことを意識して描くことで、満足度が向上します。

年代別に見るキャリア発達として
キャリアには、年代特有の発達段階と発達課題があると研究されており、
キャリア研究家のドナルド・E・スーパーは年齢ごとのライフステージを
「成長期」「探索期」「確立期」「維持期」「下降期」の5つに分類しています。

これによると、20代~30代は「探索期」~「確立期」にあたり、
以下では社会に出る前後である「探索期」からビジネスパーソンとして自立し始める「確立期」を中心に考えて参ります。

 

 

20代~30代に見る発達課題とは

社会人として企業に就職し、働き始めたばかりのビジネスパーソンは、
まず与えられた職務を確実にこなし知識・技術を身に付けながら経験を積むことでビジネスキャリアを積み上げる時期です。

目の前の課題について前向きに捉え取り組む姿勢も重要になってくるでしょう。
経験することに無駄なことはなく、成功体験を積み上げるだけでなく、失敗からも多くの学びがあるキャリア形成の基礎となる大事な年代といえます。

また、社会人経験を積み30代くらいになると「方向性の選択をし、確立していく時期」といわれています。
これまでの経験から自分の職業専門性を定め、高めていく時期です。

何が得意か?何が出来ていて、何が出来ないか?など、職業人生におけるスキルを磨く方向性が定まっていることが求められます。
スペシャリストまたはジェネラリストとして進むかの方向性を決めて、組織の中で確固とした立場を築いていく段階です。

またスキルだけでなく高いマインドを持つことも求められるでしょう。
自分自身が何をしたいのか。
どうありたいのかを見つめ、モチベートしする。自律したビジネスパーソンへ育っていくためにはスキルとマインド両方を磨く必要があると言えます。

その他に、プライベートでは結婚や子供の誕生、子育てなどを迎える人も出てきて、環境変化が激しい年代といえます。
ワークライフバランスを最も強く意識する時期でもあるかもしれません。

 

 

若手をマネジメントする視点

若手はまず仕事を期待通りに行えるようになることが大切ですが、マネジメントの立場では常に以下の視点をもって関わりましょう。

 

有能性を確立する

様々な経験からできることを増やしていくことがまず最初に大切なことです。
また、その中で本人が得意と思っていることと、客観的にみたときの強みは必ずしも一致しているとは限りません。

日々の個別業務のフィードバックだけでなく、定期的なコミュニケーションの場から本人の能力を冷静に見つめ直し、
磨いていくことが望ましいでしょう。

 

責任・役割を広げる

任せてみる。これが上司として部下の成長を促すうえで、最も重要なことかもしれません。
責任ある立場を任せ、やりきらせる。
任せきるが、それを見守り危ないときにさりげなく背中を押したり手を差し伸べる。

言うは易しですが、このバランスは非常に難しいです。
部下が勇気をもって行動できる環境を作ることを意識しなければいけません。

 

周囲に影響を発揮する

一人で完結する仕事はそう多くないはずです。
将来、チームを牽引するということ、仕事には自分以外の関係者が必ずいるということを理解させる必要があります。
その中で小さい単位からでも後輩やチームへ良い影響力を発揮することを評価することが重要でしょう。

 

自分自身が若手のモデルになる

部下を次のステージに引き上げるということは、究極は自分のポストを明け渡すことです。
まず自分自身が率先垂範で、部下のモデルとなることです。
そして彼らはそれぞれ、自分達の更に後輩から一目おかれる存在になるよう促すことで組織の新陳代謝の向上にもつながります。

 

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若手は未経験なことも多く弱音や不安を口にすることがあるかもしれません。
なぜ不安なのか、しっかり受け止めることは大前提ですが、新たな視点も伝えられると気づきにつながります。

 

「自分の強み弱みが良くわからないです」

上司や周囲からいつも言われることはありませんか?
あなたは、仕事が正確だよね。とか、あなたの情熱には負けるわ、あなたはリーダーシップがあるよね etc

自分が得意とすることできることは分かっても、それが強みなのか?疑問に思うのは自然なことです。
ビジネスパーソンは行動できてこそ評価され能力が開発されます。
他者からみた自分を客観指標として捉え、自己の能力を見つめなおすことで、強み弱みも冷静にみつけることができるでしょう。

 

「将来に向けてどんなスキルをつけたら良いでしょうか?」

人は一生学び欲求があります。
あなたにとってどんなスキルをつけたら良いのか?学びは将来に繋げる自己投資です。
どんなスキルをつけたら良いのか?という問いの前に、どんな風になりたいのか?

あなたのビジョンは何ですか?ビジョン実現に向けて必要なことは積極的に学んで欲しいと考えます。
学び続ける姿勢は、後輩にも刺激を与えていると思います

 

「失敗したくないんです」

成功の反対は何でしょうか?それは、何もしないことです。
成功からも失敗からも学ぶことがあります。
どちらもチャレンジしたからこそ得られた結果ではないでしょうか?
20代・30代はすべての経験が力になると言っても過言ではありません。

成功も失敗も振り返ることで得られるプロセスがあるはずです。
失敗を恐れずに、チャレンジした自分を褒めるくらいの気持ちで臨んでくだい。

 

「どうも管理職は忙しそうでやりたくありません」

やりたいかやりたくないか?という選択ではなく、どうやってやるか?で考え力をつけていく時期です。
ステージを上げること=視座をあげる。で、見える視界が変わり、案外できるものです。

自分が管理職になったら、後輩のモデルになれるよう生き生き楽しそうに管理職を担っていただくことが、
日本の管理職をつくる一助になるはずです。
期待されている環境があるのであればチャレンジを恐れずに飛び込むことで将来のキャリアに繋がります

 

 

まとめ

人材育成 キャリア理論 若手育成 マネジメント

20代~30代のキャリア形成は100年時代にのビジネスキャリアスタートとして大変重要な時期と捉えられます。
日々成長していくわけですが、様々な経験を通してかつ長い目で考えたキャリア形成をしていくことが
一歩一歩着実に成長していくことに繋がります。

本編ではキャリア理論を参考に、キャリア面談からのよくある質問をケースで取り上げました。
参考にしていただき、個々人のキャリア形成・育成にお役立ていただければ幸いです。

執筆者

NEXT CFO 編集部

 NEXT CFO編集部

経営者・管理職にCFOの役割を広めたい!CFOが活躍する社会をつくることで、日本経済を活発にしたい!そんな想いでNEXT CFOのメディアを運営しています。