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地方発のベンチャー企業は上場に不利なのか?東京と地方のメリット・デメリット

この記事は2017年1月発行のREVOLVING DOOR vol.14より転載・再編しております。

筆者(地域開発事業本部 シニアコンサルタント/公認会計士 渡辺 匡章)はこれまで、東京をはじめ、エスネットワークスの拠点がある 大阪・名古屋・福岡で、主に未上場のベンチャー企業を担当してきました。 今回はそんな、地域拠点のベンチャー事情を少しお話させていただきます。

 

東京一極集中なのか?

2011年から2015年までの5年間で見ると、新規のIPO社数は右肩上がりで増加しているものの、その内訳で見ると、東京が5年間で200社。 年平均で40社ペースであるのに対し、次点の大阪府は5年間で22社、年平均4社ペース。

その次が愛知県と神奈川県で10社ずつの年平均2社ペースとなっております。数で見ると東京が圧倒的な社数を占め一極集中といえます。

都道府県別新規上場社数推移

都道府県別新規上場社数推移

(その他は5年間で累計3社以下の都道府県の合計)

 

東京にある会社のほうがIPOは有利?

IPOを目指すならば早い段階で東京に進出すべき、もっというと東京で起業すべきだとか、東京に本社を移すべきだなどという声をよく聞きます。 東京に本社があることなどのメリットはビジネスの中心であり、ヒト・モノ・カネが集まるからということが主な理由かと思います。

一方で人材の数は多いが競争が激しいため、採用コストなどが高いなどという、デメリットもあるといえます。

東京拠点の メリット

◯知名度を向上させやすい
◯人材の採用がしやすい
◯VCなどの投資家の数が東京のほうが多いので資金調達がしやすい
◯情報が集まりやすく、戦略的な意思決定がしやすい

東京拠点の デメリット

△人材の数は多いが、その分競争が激しく、採用コストや人件費の水準が高い
△活きのいいベンチャーがたくさんあり、埋もれやすい

 

地方中核都市のベンチャー環境

筆者のこれまでの経験上、新規上場会社の数では圧倒的に東京に差をつけられているものの、札幌、名古屋、大阪(京都、神戸)、福岡などの大都市を中心に、ベンチャー企業にとって果たしてよくない環境なのかというとそうではない面もたくさんあると考えております。

まず、それぞれの地域で、東京にまけるなとばかり、地元を盛り上げようという機運は実に高いことが挙げられるでしょう。監査法人や証券会社、信託銀行、印刷会社や当社のような上場支援コンサルなどそのエリアごとにIPO関係者のコミュニティが形成されており、敵味方関係なく可能性のある会社を支援していこうという連帯感をどこの地域でも感じます。

ですので、実際に上場準備会社に対しては契約関係がなくても人的なつながりで様々なサポートを結構手厚く受けられるメリットがあるといえます。

次に、採用です。採用は確かに苦労している会社が多いのですが、それでも、工夫次第でこれを克服している会社は多数あります。人材は奪い合いではあるものの、東京に比べ競争自体は緩やかですし、逆に、東京で生活をしていたとしても出身が地方であり地元に戻って働きたいという人は意外に多くいます。

東京という採用市場でそういった層にアプローチをする動きや、地方にもいいベンチャーはあるのだという見せ方など採用戦略しだいで優秀な人材を少数精鋭の一本釣りに成功している企業も見てきました。

 

“ローカル×グローバル”という意外なスタンダード

地域発2

さらに、ローカル×グローバルというキーワードがあると思います。東京以外のエリアではベンチャーも様々で、単純に「ベンチャー=IT」ではなく、製造業やサービス業ほか業種は多岐にわたります。

これらの企業は、もちろん成長に従い自然とビジネスは東京にも向かうのですが、逆に、海外に進出している企業にかなりの確率で出会います。

彼らにとっては、東京に出て行くということよりも、売り先や仕入先を探していく中で、海外に製造拠点やサービス拠点を持つことあるいは海外向けにサービスを展開することが実はすごく自然な流れであるように感じます。

東京のベンチャーはともするとまずは東京で、日本でという発想になる可能性もあるのかもしれません。IPOを目指すうえで、海外展開はマストではないにせよすでに展開しているという強みを持つ企業はエクイティストーリー上もとても魅力があると考えられます。

執筆者

NEXT CFO 編集部

 NEXT CFO編集部

経営者・管理職にCFOの役割を広めたい!CFOが活躍する社会をつくることで、日本経済を活発にしたい!そんな想いでNEXT CFOのメディアを運営しています。

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