今もっとも必要なCFOという経営人材の輩出へ

「経営者の支援と経営者の輩出を通じて日本国経済に貢献する」エスネットワークスが掲げるビジョンです。

当社は1999年の設立から一貫して、中堅中小企業やベンチャー企業へ 最高財務責任者(以下:CFO)機能を提供し、 財務・会計の視点から経営者を支援してきました。

今回は代表取締役社長の須原伸太郎が、 改めて経営者を支援するコンサルティングの意義をはじめ、CFO輩出にこだわる理由、 そしてこれからの取り組みなど、自社の存在意義について語りました。

※この記事は2017年1月発行のREVOLVING DOOR vol.14より転載・再編しております。

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須原伸太郎
株式会社エスネットワークス 代表取締役社長

監査法人トーマツ入所後、株式会社マッキャンエリクソンにて企業のブランド戦略立案及びマーケティングプランニングに従事。 1999年株式会社エスネットワークスを共同設立、同社代表取締役副社長就任。2011年4月、同社代表取締役社長に就任。 一橋大学経済学部卒業。

 

経営者支援の意義

日本国経済へ貢献するために、まず企業が儲かること。 

経済活性化の切り口は、付加価値を生むイノベーションの喚起や金融に次ぐ最後のフロンティアと言われる宇宙開発、人口ボーナスなど様々な見解がありますが、1つだけ言えるのは、企業が儲かれば経済は活性化するということ。

加えて「企業が儲かる=経営者が優秀」という構図も間違いないでしょう。ですから、私たちエスネットワークスが経営者を支援していけば、結果的に日本経済の活性化に繋がります。

今の日本は空前の金余り状態です。上場企業には約109兆円が眠り、個人資産は1600兆円に達します。さらに日本の対外純資産は中国に続いで世界2位。これだけのお金が日本には余っているのに、そのお金を有効に回す人が枯渇している。

そう考えると日本経済の活性化には、優秀な経営人材がもっともっと必要であり、そのための経営者支援=コンサルティングだと考えています。

ミドルアップダウンが 日本経済活性化の一助になる。

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日本にはかつて、政官財が一体となった「日本株式会社」という最強モデルがありました。しかし現在は、日本株式会社の正三角形構造に断層が入ってしまい、大企業から中小企業への流れが途絶えてしまっています。

大企業が富めば中小にもその富が滴り落ちる(=トリクルダウン)構造がないまま、政府は大企業を応援する。これでは日本経済は活性化されません。ゆえに私たちは断層が入ったその直下の企業を一生懸命応援することに意義があると考えています。

例えば、地域の中堅企業や中核企業。当社のクライアントである高知県のサニーマートさんはその代表例です。食品スーパー、外食、不動産、病院、カーディーラー、書店・レンタル店、コンビニなどを展開するサニーマートグループには、高知県の人口の約3%、高知市だけで見ると約7%の方が関わっています。

サニーマートを応援することが地域への貢献につながることをリアルに感じられますし、これがまさにローカル企業を支援する意義だと思っています。

もう1つはベンチャー支援。大企業をひっくり返すかもしれない潜在力を秘めたベンチャーが、やがて大企業を突き上げて新陳代謝を促していく(=プッシュアップ)。こういったダイナミズムこそが、日本経済の活性化に繋がります。

ローカルとベンチャーを日本株式会社のミドルレイヤーと設定し、ミドルから下へのトリクルダウンとミドルから上へのプッシュアップという意味で“ミドルアップダウン”。これこそが日本経済活性化の処方箋だと考えています。

お客様が一番求めていることを。

当社の徹底した現場主義とハンズオンは、私の2つの経験から紡ぎ出されたものです。

1つは監査法人にいた23歳の時。とある経営者からひどく怒られました。「提案の内容に真新しいものはない。ただ、実行できないから困っているのだ。君が当社に入って手伝ってくれない限り、この提案書に価値はない。」この言葉は刺さりました。

そしてもう1つ、エスネットッワークスの立ち上げ当初、苦肉の策でスタッフを現場に常駐させたこと。これがお客様にたいへん喜ばれたのです。

この2つの経験が繋がり、ミドルのお客様が一番求めているのは「現場での実行」だと確信しました。現在、弊社では常駐スタイル以外のサービス形態も提供していますが、徹底した現場主義とハンズオンというDNAは全メンバーに深く浸透していると思います。

リボルビングドアという正反合。

経営学者の楠木建さんの著書『経営センスの論理』(新潮新書刊)に“昔のかばん持ちや書生という仕組みは、優れた経営者の裏に潜む論理を見るいい機会になっていた。スキルではなく、センスを極めて間接的な方法で伝授していた。”とあるように、経営がうまくなりたければ、何をおいても経営現場の近くにいることが大事です。

この点から言えば、私たちコンサルタントは経営現場に圧倒的に近いところで仕事ができます。MBAや経営学といった「座学」と「経営現場」をつなぐ場としてコンサルティングというアプローチは非常に有効です。

一方で、私はメンバーに対して「コンサルティングだけでは経営はわからない。経営を実行してこそコンサルタントとしての付加価値は高まる」と説いています。「経営とコンサルタントの経験を回転扉(リボルビングドア)のようにぐるぐると回していけば、有為な人材になれる」というのが私の持論です。

メンバーからすれば、経営者であれ、コンサルタントであれ、というリクエストは相反しているかもしれません。しかし、優れた経営者はコンサルタントになれますし、優れたコンサルタントは経営者になれる素養を十分に持っていると私は考えていますし、エスネットワークスがその実績の場でありたい。と強く願っています。

 

今もっとも必要な CFOという経営人材の輩出へ

エスネットワークスがCFOにこだわる理由

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CEOは製品・サービス市場と対峙し、COOは製品とサービスを受け、労働・取引先市場と対峙します。そしてCFOは金融市場・株主市場と対話していく役割を担っています。AIが幅を利かせていく未来においても、これら経営人材は代替不能な付加価値の高い人材として残るだけなく、今よりもっと求められていく。

同じ経営の世界でも起業家は再現性が難しいと感じていますが、定石やセオリー(いわゆる経営リテラシー)を踏まえた上で経営を実行するCXO(経営人材)は再現性が一定程度見込めます。そして、こういった文脈の中で、科学的にトレーニングが可能な分野の多い、あるいはトレーニングが必要な経営人材こそCFOだと考えています。

CFOには財務と会計という非常に専門性が高いノウハウが求められるため、私たちが機能の提供を通じてCFOを世の中に提供していくことは、経営がますます複雑化していくこれからの時代に非常に意義があることではないかと思います。

CFOの定義

お金を有効に活用して 世の中へ還元していく人。 日本ではお金は守るものとして、つまり「CFO=金庫番」と捉えている方が多いかと思いますが、私が考えるCFOとは、お金を有効に活用して世の中へ還元していく人のことです。この人にお金を託せば、増殖させて世の中に還元してくれる。

CFOはいわゆる増加関数みたいなものだと思います。アメリカのように「お金=投資」という考え方をする人=CFOと言ってもいいでしょう。ステークホルダーが多岐にわたる現代経営においては、社長1人で経営すること自体がリスクです。

社長のパートナーとして一緒にお金を回していくプロ=CFOが経営にマストな時代だと思っています。

CFOに必要な能力

サッカーで言えば、 攻守両面の能力を持つボランチ。 CFOに必要な能力は攻守両面です。サッカーに例えるなら、ボランチでしょうか。

お金をセーブしたり、つなげたり、維持するといった守り=いわゆる「経営管理」はもちろん大切ですが、攻撃していくことも重要な役割です。すなわち前方へパスを出し、時に自らシュートを打つ。つまり、お金を調達し、投資して、結果を出す=「調達と財務」という役割です。

1970年代から90年代までの日本は資本市場が未成熟だったが故に、複雑なCFOという機能のニーズは高くありませんでした。しかし資本市場、金融市場との対話が求められるようになった今は、CFO自らが市場とコミュニケーションをし、自ら資金を調達し、投資意思決定をしていかないといけない時代になりました。

だからこそ、エスネットワークスではコンサルティングの先に攻守両面の能力を備えたCFOの輩出を掲げているのです。

 

エスネットワークスのこれから

日本国経済への貢献としての新しい取り組み

CFOには専門ノウハウが必要ではありますが、財務(お金)と会計(数字)は、CFOに限らずすべてのビジネスマンが必ず押さえておくべき基礎の知識であり、スキルだと私は考えています。

英語を学ぶようにビジネスの共通言語として簿記を学ぶ。米国スタンフォード大学のMBAプログラムでもアカウンティングが重視されているように、これからの日本がそんな風潮になればと思います。

たまたまではありますが、当社のヒューマンキャピタル事業本部が、人材育成事業に取り組んでくれています。私はエスネットワークスの17年間の経営を通じて、CFOをゴールとした日本に役立つ人材を輩出していく行為は、教育的な部分を多分に含んでいるような気がしていました。

その思いが偶然にも、新しいサービスの立ち上げとして結実しそうです。これもエスネットワークスというコミュニティの面白い部分だと思っています。

海外展開について

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エスネットワークスにはベトナム、シンガポール、タイなどの海外拠点があります。生産年齢人口が落ちていく日本を活性化するためにも、海外とのコラボレーションや海外をマーケットとして捉えたビジネスの支援など、日本のためにアジアとつながるお手伝いをしようと考え、拠点を設けてきました。

そうすることで日本とアジアの双方がハッピーになれると考えたからです。ただ、水野和夫さん(※)の書籍を読んで“新興国が伸びていくことは先進国の利潤率を低下させ、その結果、金利を押し下げていく。グローバル化は富者と貧者の単なる入替作業である。”という主張に反論できない自分もいる。

(※水野和夫氏:日本の経済学者。法政大学経済学博士(埼玉大学)。証券エコノミストとしての経営分析の一方、マクロ経済、国際金融を文明実論的な視野から見た著作で知られる。)

 

 

では、Brexitやドナルド・トランプ氏に象徴されるように、保護主義の観点からブロック経済にシフトすべきなのかと言えば、これも違う気がしています。きっと第三のソリューションが必要なはずです。こんな観点からも海外と日本の関係性を研究し直しながら、新しい展開を探っていきたいと思っています。

 

最後に。組織として

当社は家族同伴の社員旅行やバーベキュー、クリスマスパーティーなどの社内イベントを盛んに行っています。この考え方の根本にあるのは“安心”です。実家に帰ると安心するように、当社もメンバーが安心して帰れる居場所でありたいと思っています。

もちろんエスネットワークスは安心だけでなくチャレンジングな環境でもありますが、パイを奪い合う風潮のこの時代で、人にとって一番必要なのは、何よりも「安心」ではないでしょうか?

家族とつながることが安心の要素だとすれば、当社も家族的なコミュニティとして成立する組織でありたい。

たとえ経営人材として卒業した後でも戻って来てもいい。その時には“おかえり”と迎える組織でありたい。
「安心」は、当社のあらゆる施策の根っこにあるベースの考え方だということを、改めて認識していきたいですね。

執筆者

NEXT CFO 編集部

 NEXT CFO編集部

経営者・管理職にCFOの役割を広めたい!CFOが活躍する社会をつくることで、日本経済を活発にしたい!そんな想いでNEXT CFOのメディアを運営しています。

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