シンガポールにおける日本企業の印象とビジネスを成功させる秘訣

この記事は2016年9月発行のREVOLVING DOOR vol.13より転載しております。
あくまでも執筆当時の情報、且つ定性的な情報を含んでおります。直近の統計データについては、四半期に一度経済産業省 から発表されている、日本企業の海外進出による事業活動に関するレポート「海外現地法人四半期調査」等をご参考ください。

前号に引き続き、当社シンガポール法人の提携先である沈元盛(SIM Guan Seng)氏のインタビュー記事をお届けいたします。前号では沈氏に、シンガポールの強みや、今後克服していかなければならない課題などについてお聞きしました。

今号では、シンガポール人から見た日本・日系企業の印象や、シンガポールにおいてビジネスを成功させる秘訣などについて、シンガポール人の視点から語って頂きます。

 

Q.日本人や日系企業に対して、どのような印象を持っていますか?

日本人と聞いてまず思い浮かべる特徴は、大変勤勉である事と、周りとの調和を大切にするところです。また、日本人は友好的で礼儀正しいですが、一方で少し内向的というか、日本人以外にあまり心を開かない方が多いという印象もあります。言葉の壁もあるのだと思いますが。

企業としては一般的に上下関係が厳しく、上層部の承認がおりないと物事が進まないため、中国企業などに比べると意思決定に時間がかかると感じています。でも、日系企業には、ルールを守る真面目な方が多いです。何より日本は、国全体がとても美しく清潔に保たれていて、そこは本当に尊敬します。

 

Q.どのような日系企業が、シンガポール進出を検討するべきでしょうか?

正直に言えば、シンガポールへの進出コストは決して低くありません。ですので、規模の小さすぎる企業の進出には向かないと考えます。

数十億円程度の売上規模があり、かつ高い技術やユニークな商品を持った会社であれば、当地でビジネスを始める、或いは良いビジネスパートナーを見つける事ができるのではないでしょうか。

シンガポールの会社は比較的ガバナンスもしっかりしていますし、従業員は多くの場合正直で、不正行為も少ないです。

 

そして、ビジネス文化も国際的で、外国人に対する壁もあまりありません。ただ、国自体がまだ若く、十分な経験や技術、ノウハウを持つ企業が少ないので、そういった部分を補填できる日系の会社が、当地の会社と協業すれば、双方のビジネスにとって相乗効果が期待できると思います。

Baker Tillyは、当地の多くの優良中小企業と良好な関係を築いているので、当地で真剣にビジネスをやりたい日系の会社があれば、最適な現地のパートナーを探すお手伝いができると思います。

 

Q.シンガポール人とビジネスをする上で、気を付けなければならないことは何ですか?

一般的にシンガポール人は、ビジネスにおいてスピードを重視します。決断も早いので、いろいろな物事が素早く効率的に進む傾向にありますが、悪く言えば少しせっかちな所があるかもしれません。

また、シンガポール人は、家や家族を大事にする人が多いので、仕事の付き合いで飲みに行ったり接待したり、という事が、日本ほど頻繁には行われません。ですが、だからといって決して閉鎖的な文化ではなく、外国人に対してもオープンで友好的なので、積極的にコミュニケーションを取って関係性を深めていってほしいと思います。

 

Q.最後に、シンガポールの方は日本市場の事をどう見ているのでしょうか?
日本に進出したいという相談を当地のクライアントから受ける事はありますか?

日本経済はこの20年ほどは衰退していますが、日本は素晴らしい技術や文化等、世界と共有するべきものをまだまだたくさん持っていると思います。

以前は、海外で活躍する日本企業と言えば製造業、というイメージでしたが、製造業以外にも世界と戦える産業があると思っています。

日系企業の海外進出を阻むものが、言語なのか文化の壁なのかは分かりませんが、少しでも日系企業のアジア進出の役に立ちたい、という思いが、この度エスネットワークス社と提携に踏み切らせていただいた背景にあります。

 

国際社会に対してオープンなシンガポール企業と、技術や素晴らしい商品を有する日本企業が協力すれば、必ず双方が成長できる関係が築けると信じています。

シンガポール企業にとって、日本市場は(言語の問題などから)決して進出しやすいマーケットではないですが、シンガポールが経済的に裕福になるのに伴い、シンガポールの中小企業にとってもアクセス可能な市場になってきていると思います。

当地の企業から、日本の不動産に投資をしたいというお話や、日本に進出して、日本の商品や技術からビジネスアイディアを得たいというご相談を受けることがあります。

日本に進出を考えているシンガポール企業にとっても、やはり鍵となるのは、win-winの関係を築ける、素晴らしい現地パートナーを見つけることだと思っています。

 

沈さん、ご協力いただきありがとうございました。

es_p18_19_150206

執筆者

NEXT CFO 編集部

 NEXT CFO編集部

経営者・管理職にCFOの役割を広めたい!CFOが活躍する社会をつくることで、日本経済を活発にしたい!そんな想いでNEXT CFOのメディアを運営しています。

COMMENT

* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「コメントを送信する」ボタンを押してください。