真のCFOとは。企業の持続的成長にCFOが必要な理由

まだ気づいていない会社は多い。
いま、CEOのパートナーとして求められる、もう一人の経営者『CFO』――。

企業において、どのような存在であり、なぜ重要視されるようになったのか。
CFOとはどんな人材なのか。
どのような役割を担っているのか。

(この原稿は、当社代表の須原が2017年9月にITmedia様の取材を受けた際のインタビュー記事『成長の条件に「CFO」が必要になった理由』を転載・一部再編集し掲載しております。)
※転載元記事情報
 媒体名: ITmediaビジネスオンライン
 著者名: 鈴木 亮平 氏

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成長し続ける強い企業には、実際の業務遂行に責任を持つCOO(最高執行責任者)や、
テクノロジー面で経営をサポートするCTO(最高技術責任者)など、
『CXO』と呼ばれるCEO(最高経営責任者)を支える、優秀なリーダーたちがいる。

その中でも特に企業価値向上と企業の持続的成長のカギを握るのが、財務の専門家であり経営者でもあるCFO(最高財務責任者)の存在だ。

コンサルティングサービスを通じて多くの経営現場に関与してきた当社代表の須原伸太郎は
「この十数年で、CFOに求められる役割は重要性を増しているにも関わらず、CFO人材が十分に供給されていない。
その中でCFO人材の獲得が最重要課題だと捉えているCEOが増えてきている」という。

なぜ、CFOが重要視されるようになってきたのか。企業の成長において、どのような役割を果たすのか。改めて話を聞いた。

企業経営におけるCEOとCFOは、漫才でいうボケとツッコミ?!

CFOとは、企業のおいてどのような存在なのでしょうか

須原: 日本ではCFOはまだまだ浸透しておらず、その定義は曖昧です。
世の中の認識としては、「会社の数字やお金の流れに目を光らせている人である。」
あるいは、CEOとの関係性で言うと、「社長の直属の部下であり財務部門の責任者である。」
そう考えている方も多いのではないでしょうか。

ただ、我々が考えるCFOとは、いわゆる中間管理職ではなく財務や経営管理の領域で、
高い専門知識をもって戦略立案し社長と共に事業を推進する人。
またその高度な財務知識を駆使して、金融市場と自社の“未来”について対話していく人。
即ち「もう1人の経営者」であると位置づけています。

漫才でたとえるなら、ボケとツッコミ。
彼らの間には上下関係や主従関係はなく、お互いの強みを生かし個性を引き出し合いながら目的を達成する(笑いを取る)。
それぞれの持つ専門領域において力を発揮し、ともにビジネスを動かす経営者「CEOとCFO」。
関係性としては通ずるものがあるのではないでしょうか(笑)

なぜ、CFOが必要とされるようになったのでしょうか。

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須原: 一番の要因は、金融機関からの資金調達が複雑化し難易度が上がったこと。
1990年代前半までは、資金調達と言えば銀行からの融資でした。
バブル経済が崩壊するまでは景気が良かった(土地の価格が上がり続けていた)ので、
金融機関は土地を担保にどんどん企業にお金を貸していました。

この時代は、社長や財務担当者は銀行としっかり向き合い、
信頼関係を築いていれば資金調達ができていた時代でした。

しかしバブル経済が崩壊し、景気が悪化し始めると、今まで担保としていた土地の価格は一気に下落。
企業が新たに銀行から融資を受けることは難しくなりました。
また低金利となった環境下で銀行の立場も、貸したお金が確実に回収できることが最も重要で、
リスクを取るビジネスに対する融資は消極的になりました。

こうした状況の変化もあって、企業は、別の手段で資金調達をする必要が出てきました。
つまり、いかに投資家から資金を調達するかが求められるようになってきたのです。
潤沢な資金を得られなければ事業を飛躍させることはできませんので。

ただ、銀行と投資家では、求められるコミュニケーションが根本的に異なります。
銀行に対しては高い収益性、安定した財務状況、財務計画の説明ができていればよかったのですが、
投資家に対しては、自社のいるマーケットの成長性や競争優位性を経営戦略、財務戦略に落とし込んで説明し、
「将来的に大きな投資リターンを生み出すことができる」ことをアピールしなければなりません。

そのため投資家からの資金調達は、経営に関する知識やリーダーシップを発揮できない中間管理職の財務担当者では難しいのです。
そしてCEOも、財務における専門知識を持ち合わせていないケースが多い。
そのため、資金調達の役割を担うとなると、財務の専門知識を身に付ける必要が出てきます。

しかし、事業を回しながら経営戦略を考え、財務知識も勉強して、
投資家と良好な関係を維持しながら資金調達をする――全ての仕事をCEOがこなすには限界があります。

だからこそ、漫才コンビと同じようにお互いの強み、役割を明確に分けたボケとツッコミの“経営者コンビ”が必要になってきたのです。

 

●財務に強い2人目の経営者

なるほど。単なる財務部門のトップではなく、財務の知識を持った2人目の経営者がCFOということですね。

須原: はい。中間管理職の経理部長や財務部長と違い、経営の切り盛りができる人材でなくてはいけません。
CEOとCFOは得意分野のウエイトが異なるだけで、同じ経営陣です。

昔は、経理部長や財務部長がCFOを名乗っていたのかもしれません。
しかし、一部門の責任者ではなく、事業全体を成長させていく視点を持ってリーダーシップを発揮できるかどうかという点で大きく異なります。

CEOも、CFOが必要だという認識に変わってきているのでしょうか。

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須原: 十数年前と比較すると、「CFOが必要」という認識は非常に高まっています。
企業におけるCFOの配置は、もはや時代のニーズになってきており、
採用活動もまずは優秀なCFOから探すという企業が増えてきていますね。

ただ、現状は自社で財務・会計のキャリアを重ねてきた人をCFOに置くという流れがまだまだ主流です。

もちろん、社内からCFO人材を探すこと自体は悪くないのですが、
CEOに就任した方が、それまで自分に仕えていた元部下をCFOとして据えるケースがあります。
そうなると元上司であるCEOに遠慮してしまい本来果たすべきCFOの役割が機能しない可能性があります。

加えて、CFOの役割を担える人材自体が市場に少ないという課題もあります。
借入(デットファイナンス)に精通していても、投資家からの資金調達(エクイティファイナンス)の経験はない。

逆に、エクイティファイナンスには強いけれど、デットファイナンスの経験がない。

さらに会計や経営管理の技法までカバーするとなると、いよいよそれらをトータルで理解して資本政策や財務戦略を設計・実行できる人材は社内だけでなく、
市場にもなかなかいないというのが現状です。

ニーズは高まっている反面、その難易度は非常に高いため、多くの企業にCFOは行き届いていないと感じています。

我々はコンサルティングを通じて企業にCFO機能を提供し続けてきましたが、CFOが企業の成長を支えるキーマンであると確信しています。
また「育成」を通じてCFOを輩出することができ、CFO人材が増えれば企業はもっと元気になるのではないかと考えています。

 

●ベンチャーと大企業と異なるCFOの役割

CFOに求められる能力は、大企業とベンチャーでどのように異なりますか?

須原: 大企業の場合、企業が持続していくための基本的なインフラが整っているので、今すぐに経営危機に陥ることはありません。
ですから、資金調達よりも今ある資金をどの事業にどのくらい割り当てるのか、そのリソースの配分を考えることが重要な役割になっていきます。

事業ごとに市場規模や利益率などを数字に落とし込み、適切な資本投下を実行していくというスキルが求められます。

一方、ベンチャー企業の場合はどの事業に、どのくらい配分するかを選択できるほど、資金的に余裕がありません。
リソースの配分ではなく、投資家に対して事業の成長性、企業の競争優位性を証明し、投資家から信頼を得て資金調達をする能力が必要ですね。

資金調達を成功させるために、具体的にはどのようなスキルがCFOに求められますか。

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須原: 事実ベースで今の財務状況を伝えていくことも大切なのですが、
当然「今は赤字が続いてます」と足元の状況を伝え続けるだけでは資金調達はできません。
先ほども申し上げたように、自社がいるマーケットの成長性。自社の商品の独自性や人材の経験値や能力。
それがどう競争優位性につながるのか。

中長期でどのような展開を考えていて、そのマーケットはどのくらい大きいのか――と、
未来についての数字を財務計画に落とし込み、投資家に提示できるCFOが必要です。
つまり、直近の状況は正しく事実を伝えつつ、未来について熱量をもって「語る力」が大切です。

「〇〇年後にはこの市場でシェアトップになり、このくらいの利益を出せますよ。その理由は……」と。
3~5年以内くらいの予測可能な範囲では具体的な数値目標を示し信用を勝ち取り、
そこから先は理念や想いで共感を得る。このバランス感がCFOに求められますね。

とはいっても、こうしたスキルを持ったCFO人材の供給が追い付いてないのが現状であり、
既に企業間で優秀なCFOの奪い合いが起こっています。

CFO人材をどう確保していくか、どう育てていくかが企業に問われているのです。

執筆者

NEXT CFO 編集部

 NEXT CFO編集部

経営者・管理職にCFOの役割を広めたい!CFOが活躍する社会をつくることで、日本経済を活発にしたい!そんな想いでNEXT CFOのメディアを運営しています。

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