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今後の日米貿易はどうなる?「TPP・FTA」 | ワード解説

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ここ最近新聞を読んでいると毎日のように出てくるTPPとFTAという言葉。2016年12月2日の日本経済新聞の朝刊でも、安倍首相が日米FTA締結に慎重な姿勢を見せているという記事が掲載されていました。そもそもFTAやTPPは何を意味し、どういった効力があるのかをここでは解説していきたいと思います。

そもそもFTAとTPPとは?

FTAはFree Trade Agreementの略称で自由貿易協定と訳され、TPPはTrans-Pacific Partnershipの略称で環太平洋パートナーシップ協定と訳されます。

FTAは2カ国以上の国や地域が相互に関税や輸入割当などの貿易制限的な措置を一定の期間内に撤廃・削減することを定めた協定です。関税や非関税障壁を取り払うことで締結国・地域間の自由な貿易および貿易や投資の拡大を目的としたものです。企業にとってはFTA相手国との取引において、無税で輸出入が出来るようになるというメリットがあり、個人消費者にとっては相手国の製品や食品などが安く手に入るようになるなどのメリットがあります。

TPPは太平洋を囲む12カ国(オーストラリア,ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、アメリカ、ベトナム)による経済の自由化を目的とした多角的な経済連携協定(EPA)です。関税だけでなく知的財産の保護や投資ルールの整備なども含んでいるところがFTAとの違いです。

TPP離脱を表明したトランプ次期米大統領

ドナルド・トランプ次期アメリカ大統領が11月21日に行ったビデオ演説で、TPPを離脱し、2国間貿易協定を重視していくと発言し、話題となっています。参加12カ国中最大の経済規模を持つアメリカが脱退することで、TPPはほぼ意味を失くし、計画は頓挫するだろうと考えられます。

安倍首相は、2国間の貿易協定を重視する方針を示していることに関連し「各国と個別に協定を結ぶと(事務)手続きがばらばらになる。中小企業は大変だ」と発言しており、TPPに関し「各国にまたがるサプライチェーン(供給網)の取引コストを一気に下げる」と利点を改めて強調し、そのうえで「粘り強くTPPの意義を米国に働きかけていく」と述べています。

TPPの今後

参加12か国中で最大の経済規模を持つアメリカが脱退しようとしていることで、サプライチューンの取引コストの引き下げがあまり期待できなくなってしまっている今、このままTPPを推し進めていくのは日本にとってもメリットが少ないため、計画は頓挫することが目に見えています。

一方で、アメリカは経済連携協定を結んでいる国にしかシェールガスを輸出せず、TPPが実現しない場合、日本は安価なシェールガスを求めて日米FTAを締結する可能性もあります。

今後の動向に目が離せません。

最後に

TPPを締結し、貿易の自由化による輸出額の増加と、企業内貿易の効率化による利益の拡大を根拠に、10年間でGDP2.7兆円の増加を見込んでいた日本。アメリカとの経済協力なしで、ますますアジアでの存在感を強める中国に対してどのように対抗していけるのか。これからしばらく日本にとって苦しい時代が来るかもしれません。

執筆者

山原 一晃 氏

 山原一晃 氏

京都大学大学院農学研究科所属。就職活動を始め、自分が世の中を知らなさすぎることに気づき、Next CFO記事インターンを志願。将来を模索する日々を過ごしている。