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今話題のクラウドファンディング、新しい資金調達の形

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2016年11月28日の日本経済新聞朝刊で、クラウドファンディング大手の株式会社CAMPFIRE(以下、CAMPFIRE)がネットで融資事業に参入するという記事が掲載されました。資金調達能力が問われるCFOにとって、クラウドファンディングの理解は欠かせません。今日は、新しい資金調達の形として市場が拡大しているクラウドファンディングを一から解説していきます。

クラウドファンディングとは

事業を立ち上げる際の資金調達に、あなたはどんなイメージを持っていますか?友人や知人からの出資、投資家への売り込み、銀行からの融資、助成金の活用、これらは昔から行われている資金調達の方法です。しかし、インターネットが普及した今日、新たな資金調達の方法が生まれました。

クラウドファンディング(Crowdfunding)は、crowd(群集)とfunding(資金調達)を組み合わせた造語です。資金調達者と出資者の間に、インターネット上のプラットフォームを介在させることによって、不特定多数の人々から出資を受けることが可能になったのです。

クラウドファンディングは、投資型と非投資型の2つに大きく分けられます。そして、さらに投資型は融資型・ファンド型・株式型に、非投資型は購入型・寄付型に分類されます。

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<寄付型>

ボランティアの色合いが強く、出資者へのリターンは発生しません。被災地や途上国の支援から、教育・環境保全など社会貢献事業の資金調達に利用されます。

<購入型>

プロジェクトに対して出資することで、金銭以外の商品やサービスをリターンとして受け取ることが出来ます。日本で最も主流なクラウドファンディングで、冒頭で紹介したCAMPFIREのサービスも購入型にあたります。

投資型のクラウドファンディング

投資型のクラウドファンディングは、非投資型と異なり出資者に対して金銭の支払いが生じます。従って、金融商品取引法の規制により取り扱い業者は金融商品取引業の登録が事前に必要になります。

<融資型>

資金調達者に、個人が少額の貸付を行うことができるサービスで、「ソーシャルレンディング」とも呼ばれます。購入型が、リターンとして商品やサービスを受け取るのに対して、融資型では金利という形で分配金を受け取ることが出来ます。

<ファンド型>

融資型が決められた金利で安定したリターンを得ることができる一方、ファンド型は売上げなどに応じた配当をリターンとして受け取るため、ハイリスクハイリターンの金融商品と言えます。

<株式型>

非上場株式を対象に投資を行うタイプです。従来は禁止されていた未公開株の売買になりますが、2015年の金融商品取引法によって解禁されました。しかし、2016年11月現在、日本国内に取り扱い業者は存在しません。

なぜクラウドファンディングは流行り始めたのか

今回、CAMPFIREが新たに参入すると発表したのは融資型のクラウドファンディングです。融資型は、クラウドファンディングの中でも最も市場規模が大きく、2015年度の取引額は約320億円と推計されています。業界最大手は、2007年に設立したmaneoマーケット株式会社。過去の成立ローン総額は571億2,000万円で、IPOも視野に入りつつあります。

ではなぜ、融資型のクラウドファンディングはここまで流行っているのでしょうか。ひとつには、クラウドファンディングが、銀行からの借入ができない企業の需要を満たしていることが考えられます。

もちろん、財務状況に問題がある会社には銀行もクラウドファンディングの運用会社も融資を行うことはありません。しかし、返済能力以外の問題(短期の借入、少額融資など)が原因で銀行から融資を受けられないことは多く見られます。

融資型クラウドファンディングは単にインターネットの普及によって拡大したサービスではありません。こうした資金需要をうまく捕らえて、従来の融資のスキをつくことで注目されるようになったのです。

まとめ

「貯蓄から投資へ」が叫ばれる日本において、今後ソーシャルレンディングの市場は高い成長率が期待されます。特にスタートアップベンチャーのCFOを目指す方は、資金調達の手段の一つとして押さえておいて損はないでしょう。

執筆者

久保 謙太郎 氏

 久保謙太郎 氏

中央大学法学部政治学科4年。ゼミでは環境保護と企業成長の両立について研究。学生時代は国内旅行と読書に明け暮れる傍ら、中小企業診断士を目指す。