配偶者特別控除とは

2016年11月6日の日本経済新聞朝刊で取り上げられた「配偶者特別控除」。2017年度の税制改正で夫婦控除の創設の代わりに、配偶者特別控除の減税枠を拡大することが目指されています。今日は、この配偶者特別控除について詳しく解説していきたいと思います。

配偶者控除と配偶者特別控除の違い

○配偶者控除

納税者に、一定の要件を満たした配偶者がいる場合に、一定の金額の所得控除を受けられる制度です。

(一定の要件とは)

控除対象配偶者とは、その年の12月31日の現況で、次の四つの要件のすべてに当てはまる人です。

(1) 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません。)。
(2) 納税者と生計を一にしていること。
(3) 年間の合計所得金額が38万円以下であること。
(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
(4) 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。

(出典:国税局https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1191.htm
この要件に当てはまる配者がいる場合、納税者の所得から38万円(その配偶者が、その年の12月31日時点で満70歳以上の場合は48万円)を差し引いた額を基準に税金が計算されることになります。

配偶者特別控除

例えば、配偶者のパート収入が配偶者控除の上限の103万円(所得金額の場合38万円)を超えると急に控除がなくなると困りますよね。そのため、パート収入が103万円を超えても141万円(所得金額の場合は38万円超76万円未満)までは控除が受けられる(段階的に控除額は下がるが)という制度が配偶者特別控除です。

つまり、パート就労などによる収入が増えたことで、38万円の配偶者控除の不適用になった場合に、世帯収入が減るという逆転現象を緩和するための措置だといえます。配偶者特別控除により、世帯手取り収入は130万円を超えるまで減ることはありません。

130万円超141万円未満までは配偶者特別控除を受けられるものの、社会保険扶養の壁「所得65万円、収入130万円」というラインがあります。つまり配偶者のパート収入が130万円を超えると、配偶者特別控除を受けられるものの、配偶者が被保険者の社会保険扶養から外れるため、配偶者自身で社会保険加入することになります。したがって、130万円を超えると結果的に世帯手取り収入が減ることになります。

配偶者特別控除を詳しく見よう

○配偶者控除と配偶者特別控除

上記で記載したように配偶者控除と配偶者特別控除は適用範囲が異なるため、どちらか一方のみ認められるということになります。

○配偶者特別控除の要件

(1) 控除を受ける人のその年における合計所得金額が1千万円以下であること。
(2) 配偶者が、次の五つの全てに当てはまること。
イ 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません)。
ロ 控除を受ける人と生計を一にしていること。
ハ その年に青色申告者の事業専従者としての給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと。
ニ ほかの人の扶養親族となっていないこと。
ホ 年間の合計所得金額が38万円超76万円未満であること。

(出典:国税庁https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1195.htm

この要件に当てはまる場合、配偶者特別控除が受けられます。

○配偶者特別控除の控除額

〈配偶者の合計所得金額 - 配偶者特別控除の控除額〉
38万円を超え40万円未満 - 38万円
40万円以上45万円未満 - 36万円
45万円以上50万円未満 - 31万円
50万円以上55万円未満 - 26万円
55万円以上60万円未満 - 21万円
60万円以上65万円未満 - 16万円
65万円以上70万円未満 - 11万円
70万円以上75万円未満 - 6万円
75万円以上76万円未満 - 3万円
76万円以上 - 0円

上記は所得金額であるので、給与収入で控除額を判断する場合は、この「配偶者の合計所得金額」に65万円を足して見ることで、パート給与での計算の参考にしてください。

執筆者

牧野真也

 牧野真也 氏

立命館大学法学部法学科。在学中は地域活性化に注力。趣味は食べ歩き。「食」のためなら500kmでも足を運びます。現在は日本人としての作法を身に付けるため、茶道を修行中。