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複数の企業で自身の専門を活かす社外取締役とは?

「複数の企業で自身の専門を生かす」、これってCFOがまさに当てはると思います。

東京証券取引所が2015年6月に導入したコーポレートガバナンス・コード、スチュワードシップ・コードの導入・制度化により、社外取締役の選任を行う企業は大幅に増えました。
2016年10月31日(月)の日本経済新聞には社外取締役の導入が非上場企業にまでも広がっているということについて触れられていました。
今回は、近頃需要が多い社外取締役について解説したいと思います。

社外取締役とは?

まず社外取締役は会社法第2条第15号、第16号において以下のように定義されています。

社外取締役

「株式会社の取締役であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。

イ 当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役、執行役、支配人その他の使用人でなく、かつ、その就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。

ロ その就任の前十年内のいずれかの時において当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与、又は監査役であったことがある者(業務執行取締役等であったことがあるものを除く。)にあっては、当該取締役、会計参与又は監査役への就任の前十年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。

ハ 当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。)又は親会社等の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人でないこと。

ニ 当該株式会社の親会社等の子会社等(当該株式会社及びその子会社を除く。)の業務執行取締役等でないこと。

ホ 当該株式会社の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の重要な使用人又は親会社等(自然人であるものに限る。)の配偶者又は二親等内の親族でないこと。」

 

難しいですね。噛み砕いて言うと、その会社に少しでも関係のある人はなれないということです。

どんな役割なの?どんな人がなれるの?

社外取締役に就任する人物としては主に以下のような方々が多いです。

①経営者OB、現役経営者
②元官僚
③会計士
④弁護士
⑤大学教授

その他にも金融機関出身者などが名を連ねており、社外から経営に対する助言や監督を行えるような知識・経験・経営感覚を備えたバランスのある人物が多く選ばれているようです。
以前の日本では助言や社外からの視点を要求するための社外取締役が大半でありましたが、近年は欧米がそうであるように監督機能も携えるように役割が発展してきました。
その例としては、セブン-イレブンの社長の交代案について社外取締役が否決した例が挙げられます。こういった例からも社外取締役の役割が企業の監督機能、そして経営の透明化に繋がり、またそれが投資家の利益に繋がっていることがわかります。

社外取締役は普及しているの?

2015年6月から日本取引所グループが東京証券取引所第1部と第2部に上場する企業に対し、2名以上の社外取締役の選任を求める上場規制を発表しました。
この結果、東証1部上場企業の98.9に当たる企業が社外取締役を選任するに至っています。(2014年は74%でした)

一方で、選任しないことも可能ではありますがその場合は選任しない理由を公表することが義務づけられています。
2015年の例ではありますが、選任しない理由として以下のような例がありました。

・その業界に精通しているような適任者がいない。(介護業界など)
・社外取締役を設置しなくとも、すでにある監査役会や内部監査体制で十分なガバナンスが構築、運用されているため。

適任者がいないという点は度々言われていることですね。そのせいで複数社を同時に受け持つ方も多くいらっしゃいますし、また適当でない方を選任してしまった場合には会議が上手く回らなくなってしまったという事例もあるようです。
またさすがに公表はされていませんが、単に費用の問題ということもあるかもしれません。
ただ上記のような例が今後も社外取締役を選任しない理由として認められ続けられていくことは難しく、社外取締役を設置する企業は100%に向かっていくと考えられます。
また、冒頭でも述べたように規制があるから社外取締役を選任するというのではなく、経営に社外からの視点、知恵を取り入れようと自ら社外取締役を取り入れようとする企業も近頃多く見られるようです。

さいごに

今回は社外取締役を取り上げました。
近年、企業の不祥事が目立ち経営の透明化を目指すために取り入れられたこの社外取締役という制度ですが、本来の目的以外にも企業の多様性という面で効果が期待できそうです。
CFOは社外取締役をうまく活用する必要がありそうです。
実際、社外取締役を複数置く企業は1人しかいない企業や置いていない企業より、資本効率を示す自己資本利益率(ROE)が高いとの調査結果もあるそうです。
そして、現在の社外取締役の方々は複数企業を掛け持ちしている方が多いそうです。(多い方で5社か6社)
また、CFOになった方でも社外取締役をされている方も多くいらっしゃいます。
内と外で経営を行うことで能力の向上にもつながると推察されます。
複数の経営に携わって自身の豊富な知識・経験を生かすことができる、CFOを目指す方にとってはCFO・社外取締役、どちらも強い相関関係のある事を忘れないでください。

執筆者

沢田 勇平 氏

 沢田勇平 氏

神戸大学大学院経済学研究科所属。学部時代は会計を学び、現在は経済学を中心に学んでいます。一企業に頼らず自身の豊富な知識を武器に活躍するCFOを夢見て頑張ります。