信託銀行の役割とは? 銀行とは違うの?

街でよく見かける信託銀行。皆さん信託銀行はどういう仕事をしているのかご存じでしょうか?名前から推測すると銀行の一部の業務を専門的に取り扱っているイメージがありますが、実は様々な業務内容を扱っているのです。10/24(月)の日経新聞でも話題になった信託銀行。その業務や役割を紹介していきます。

銀行の役割

信託銀行の役割を理解するために、まず普通の銀行の役割を紹介します。

銀行は銀行法に定められた業務しか直接営むことができません。銀行法に定められた業務の中で銀行のみが行うことのできる固有業務というのがあり、預金、貸付、為替の業務があります。また固有業務以外には付随業務、周辺業務というのがあり、債務保証や手形引受け、クレジットカードなどがあります。まとめると以下のようになります。

<銀行が直接行うことのできる業務>

固有業務預金個人、企業からお金を預かり管理、保管する(受信業務)
貸付お金を貸付する(与信業務)
為替送金、振込、手形、小切手による現金の移動(決済業務)
付随業務債務の保証、手形引受けなど

 
以上のように銀行が扱うのは現金や預金、そして現預金に近い為替などであり、基本的には不動産や知的財産などは扱わず、株式の保有にも制限があります。

信託とは?

信託銀行の信託とはどういう意味なのでしょうか?
信託とは、財産の保有者(委託者)が信頼できる人(受託者)に財産を移転し、受益者の為に受託者が財産を運用、管理、処分することです。具体的にはお客さん(委託者)が信頼できる信託銀行(受託者)に財産を移転し、契約内容に基づき信託銀行がその財産を保守、運用することでお客さんあるいはその相続者など(受益者)に利益を分配することです。すなわち信託銀行は財産を運用、相続したいお客さんから財産を預けてもらい、それを運用して利益を生み出すことが仕事となります。

信託銀行の業務

では具体的に信託銀行にはどういう業務があるのでしょうか?信託銀行と銀行の一番の大きな違いは、信託銀行の業務範囲の広さにあります。信託銀行は銀行の行う業務を営むことができる上、現預金に限らず不動産、知的財産、有価証券などを取り扱うことで利益を生むことができます(信託業務)。

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またお客さんの財産を管理、運用する信託業務以外の業務も行うことができます。例えば不動産を購入する際に借入れを行う場合、銀行からお金を借入れた上で不動産会社から購入するためお客さんは銀行と不動産会社の2社とやりとりする必要があります。しかし信託銀行は不動産の仲介業も行うことが可能であるため、信託銀行とのやり取りのみでお金の借入れから不動産の購入までを一括してできます。他にも遺言書の執筆や遺産の整理なども代行しており、年配の方が信託銀行を利用するケースが多いです。

最後に

様々な業務を営む信託銀行はその業務の多種多様さゆえにそれらを組み合わせてお客様に対し様々なサービス提供することができます。今後不動産の購入や相続の際に信託銀行を活用するかもしれませんので、この記事を通じて信託銀行を身近なものに感じてもらえれば幸いです。

執筆者

嶋本 幸之助 氏

 嶋本幸之助 氏

東京大学技術経営戦略学専攻修士2年。大学では躰道という武道に打ち込み、四年の時に主将を務め部を全国優勝に導く。その成果もあり2014年に東大総長賞受賞。大学院ではファイナンスを専攻。