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新日鉄と住金が統合して誕生した国内1位の新日鉄住金とは

鉄鋼業界の国内最大の会社であり、世界でも2位を誇る新日鉄住金。そんな日本を代表する会社の概要をまとめました。

新日鉄住金の誕生の歴史

新日鉄住金は、新日本製鉄(以下、新日鉄)と住友金属工業(住金)とが2012年(平成24年)に合併し誕生しました。そこで新日鉄と住金のそれぞれの沿革を見ていきましょう。

 新日本製鉄のあゆみ

新日鉄は1970年(昭和45年)3月31日に、国内で1・2位の規模を持つ大手高炉メーカーであった八幡製鐵と富士製鐵が合併して発足しました。当時、日立製作所を抜いて売上日本最大のメーカーでありました。

新日鉄は、高炉を構え、鉄鉱石を原料に銑鉄から鋼材までを一貫して製造する銑鋼一貫製鉄所を持つ日本トップ(2008年度の日刊鉄鋼新聞による)の「高炉メーカー」でした。
一方、国内シェアは2位のJFEスチールと拮抗していましたが、国内シェア3・4位の住友金属や神戸製鋼所と株式の持ち合いを進めるなど緩やかなグループ形成をすすめ、日本の鉄鋼業界は新日鉄とJFEの2系統にまとまったといえます。

 住友金属工業のあゆみ

関西経済界の重鎮(関西財界御三家)であり、住友グループの要として三井住友銀行、住友化学と共に「住友グループ御三家」と称されていました。住金のスタートは1897年(明治30年)4月1日に創業した住友伸銅場であり、そこから20世紀前半まで合併や商号変更などを繰り返し、1949年(昭和24年)7月1日に扶桑金属工業を解散し、新たに新扶桑金属工業株式会社が設立されました。そしてこれが3年後の1952年に商号を変更し「住友金属工業株式会社」となりました。

 新日鉄住金の誕生へ

国内の鉄鋼業界では、2002年の川崎製鉄と日本鋼管の経営統合によるJFEホールディングスの発足に対抗する形で、2012年10月1日に、国内鉄鋼最大手の新日本製鐵が同第3位の住友金属工業を株式交換して「新日鉄住金」が誕生しました。

 新日鉄住金の主要事業の内容

 製鉄事業

自動車、鉄道、橋梁、石油・天然ガス、火力などの発電・送電、再生可能エネルギー・電機に必要な鉄を、高い機能と技術力でハイエンド商品として提供しています。さらに軽量・高耐食性とともに高加工性のチタンなどの鉄以外の素材も提供しています。

エンジニアリング事業

エネルギー関連設備・海洋鋼構造物、物流施設やビルなどの鋼構造建築物の建設を行っており、さらに電気事業者の一種特定規模電気事業者あり、電力の小売も行っています。

化学事業

製鉄過程で発生するコールタールなどの原料を利用した石炭化学事業と、石油精製過程で得られる原料を利用した石油化学事業を行っています。

新素材事業

半導体用・電子部品用の材料・部材や、金属加工品、セラミックス部材などの製造を行っています。

システムソリューション事業

ITソリューションを提供しています。情報システムの企画フェーズであるITコンサルティングから、実際に情報システムの効果を生み出す運用フェーズまで、システムライフサイクルをトータルにサポートサービスを提供しています。

新日鉄住金の事業の特徴

統合シナジーの早期実現と競争力ある会社群の形成、連結経営資源の効率化・重点化等の観点から、重複する機能を有する会社や、統合により事業競争力が強化されるような会社については統合・再編を進めており、鉄鋼業を中心に関連事業(グループ)に強みがあります。

また、海外にも多数の生産ラインを有し、グローバル化という面でもグループ一貫での最適な機能分担(圧延・加工・物流等)の実施等を通じ、グループ経営管理基盤の強化・レベルアップが図られています。

財務状況

売上高営業利益経常利益当期純利益
28年3月期4,907,429167,731200,929145,419
27年3月期5,610,030349,510451,747214,293

(単位は百万円)

1株あたり
当期純利益
自己資本利益率総資産
経常利益率
売上高
営業利益率
28年3月期158.72円5.10%3.00%3.40%
27年3月期234.83円7.60%6.30%6.20%

 
表からもわかるように新日鉄住金の業績は下降しました。この背景には、米国・欧州経済の堅調な推移の一方、中国・アセアン諸国の景気の悪化が世界に及ぼした影響に加え、日本経済も景気の回復が遅れていることが要因であると考えられています。

まとめ

新日鉄住金は、グローバル化の促進に加え、鉄鋼業に関わる多様な事業を行っています。2014年の世界主要鉄鋼メーカーの粗鋼生産量第2位(出所:世界鉄鋼協会)となっています。

また、かねてよりグループ一貫での最適な機能分担(圧延・加工・物流等)の実施等を通じ、グループ経営管理基盤の強化・レベルアップを推進することを掲げています。
今後、世界経済が伸び悩む中で、いかにラインの効率化を測り成長できるのに注目です。

執筆者

牧野真也

 牧野真也 氏

立命館大学法学部法学科。在学中は地域活性化に注力。趣味は食べ歩き。「食」のためなら500kmでも足を運びます。現在は日本人としての作法を身に付けるため、茶道を修行中。