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二輪車販売世界TOP1,TOP2 ~ホンダとヤマハ発動機~

今回は二輪車業界です。
有名なところはホンダ、ヤマハ、カワサキ、スズキがありますね。
その中でも本田技研工業株式会社(以下、ホンダ)ヤマハ発動機株式会社(以下、ヤマハ発)は国内はもちろん海外においても圧倒的な販売力を誇っています。
2015年度の世界の約5,263万台の需要の内、ホンダは約20%(1,057万台)、ヤマハ発は約9.9%(522万台)の二輪車の供給を果たしました。

この二輪車業界世界TOP1,2に位置する2社の記事が日経新聞の10月6日(木)の総合欄に「細る二輪市場 手結ぶ ホンダ・ヤマハ発、提携発表」という記事で掲載されました。
日本独自規格である排気量50ccのスクーター(一般にいう原動機付自転車)について、2018年をメドにヤマハ発がホンダからOEM(相手先ブランドによる生産)調達する方針だという内容でした。

そこで今回は、この2社がそれぞれどういった企業なのか、そして現在どういった状況に置かれているのかを探っていきたいと思います。

基本情報

 ホンダヤマハ発
創業1948年(昭和23年)9月1955年(昭和30年)7月
総売上高(二輪事業の売上高)14兆6011億円(1兆8054億円)1兆6153億円(1兆160億円)
営業利益(営業利益率)5033億円(3.5%)1204億円(7.5%)
グループ規模国内外451の関係会社国内外141の関係会社
従業員数連結20万8399名

単独2万2399名

連結5万3306人

単独1万440人

 

ホンダはトヨタに次ぐ国内売上高第2位の企業(トヨタは売上高約28兆)、まさに大企業の中の大企業です。

ヤマハ発は全体的に見るとさすがにホンダに見劣りしてしまいますが、二輪事業のみに絞って見てみると決して負けていません。二輪事業に強く、力を入れていることが分かります。

 

では、事業領域はというと以下のようになっています。

ホンダ・・・二輪事業、四輪事業、その他(発電機、耕運機、除雪機、船外機、ロボット技術、航

空機エンジン)

ヤマハ発・・・二輪事業、マリン事業(船外機、ボート、プール、漁船)、特機事業(四輪バギー、スノ

ーモービル、ゴルフカー)、産業用機械事業、その他(自動車用エンジン)

 

売上高構成比は以下のようになっています。(左:ホンダ、右:ヤマハ発)

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各社の事業内容、売上高構成比を見るだけでもそれぞれの個性が見えてきますね。

各社とも創業当初は二輪車の製造から始まり、そのノウハウ(特にエンジン)を基に事業領域は広がっていきました。
ただヤマハ発の事業領域は独特ですね。母体である日本楽器製造(現ヤマハ株式会社)のなごりがあるのでしょうか。(日本楽器製造は楽器だけでなくプロペラの製造まで行っていたそうです。)

提携に至った理由は国内市場の縮小

日本自動車工業会によると、日本国内では1980年前半のピーク時に年間300万台を超える数の二輪車が販売されていましたが、2015年度は約37万台の販売にまで落ち込みました。
2015年度のホンダ、ヤマハの国内販売台数はそれぞれおよそ18万台、11万台であるのでこの2社のみで国内販売台数の約8割を占めているのです。
だから、「見込みのない国内ではこれ以上争わず、将来的に見込みのある海外にお互い集中しよう」ということなのでしょう。

では、この2社は海外のどこに目を向けているのでしょうか?

下図は、2社それぞれの二輪車の地域別売上高の構成そして推移を表しています。
ともにアジアに対する比率が高いことがわかりますね。

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2社ともアジアに重点を置いている理由は、下の図を見れば一目瞭然です。
アジアの需要が世界総需要5,263万台の約78%を占めているためです。(ちなみに、日本は約1%)
日本ではなく海外、特にアジアに集中したい気持ちがよくわかります。
アジアの中でもインドの需要は大きく、ホンダはインドの二輪車市場の中のスクーター市場で56%のシェアを獲得しているそうです。(2015年度現在)

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 さいごに

圧倒的に二輪車の需要が多いアジアですが、その中の中国の需要は2009年の1700万台をピークに現在約900万台にまで需要は落ち込んでいます。どのような条件が揃うと、またはどのようなタイミングで需要が落ち込んでいくのかを調べてみるのも面白いかもしれませんね。

今後は後進国を中心に世界の人口が増えていくことは確実です。二輪車業界はその波に乗って市場を大きくしていくのでしょうか。もしくは、新しい技術の誕生によって衰退してしまうかもしれません。

どちらにしても、企業は変わっていかなければならないことは確実です。

執筆者

沢田 勇平 氏

 沢田勇平 氏

神戸大学大学院経済学研究科所属。学部時代は会計を学び、現在は経済学を中心に学んでいます。一企業に頼らず自身の豊富な知識を武器に活躍するCFOを夢見て頑張ります。