• ホーム
  • 解説
  • そもそもFRBとは? 米国の政策金利が日本にもたらす影響

そもそもFRBとは? 米国の政策金利が日本にもたらす影響

FRBが操作するアメリカの政策金利の話題は、日本のメディアでも頻繁に取り上げられています。2016年10月10日の日本経済新聞朝刊にも、年内利上げ見込みに関する記事が掲載されていました。
今日は、そもそもFRBとはどのような組織なのか、利上げの機能や日本への影響を絡めながら紹介したいと思います。

FRBとは

FRBとは、Federal Reserve Board(連邦準備制度理事会)とFederal Reserve Bank(連邦準備銀行)の略称です。政府機関である連邦準備制度理事会が、全国の主要都市に存在する連邦準備銀行を統括しています。メディアでよく取り上げられるのは、前者の連邦準備制度理事会の理事や議長の発言ですね。

FRBの機能

FRBは、1907年に起きた金融恐慌の後、金融業界を保護するために設立されました。
FRBが果たしている主要な機能は以下の通りです。

①金融政策(の策定)
国内と国外の諸般の事情を配慮して、米国国内のお金に関する政策を設定し、米国の物価や通貨価値の安定を維持します。

②中央銀行以外の銀行への監督と規制
国内の12の地区に存在する連邦準備銀行の監督を行います。

③金融関連のサービス(の提供)
国債などの証券の売買による公開市場操作で貨幣の供給量や金利の調整を行います。

利上げがもたらす日本への影響

FRBが定期的に開く連邦公開市場委員会(Federal Open Market Committee , FOMC)。理事や連邦準備銀行総裁が出席し、ここでアメリカの金融政策が決定されます。2016年10月9日にFRBのフィッシャー副議長が、「FOMC参加者の全員近くが年内の利上げを見込んでいる」と発言したことで、年内の利上げ観測が高まりました。

そもそもなぜ利上げが行われるのでしょうか。一言でいうと、貨幣価値の過度な下落を防ぐためです。景気が良くなり国民の実質賃金が上昇すると、消費需要が高まり物価が上がります。物価が上がるということは貨幣価値が下がることを意味します。これに低金利が加わるとドル売りが進み、貨幣価値はどんどん下がっていきます。

FRBは利上げを行うことで消費需要を抑制し、米ドルの価値が暴落することを防いでいるのです。

では、米ドルの利上げは日本にどのような影響をもたらすのでしょうか。

米ドルの金利が引き上げられ価値が上がると、円売りドル買い(円安)が進みます。円安になると、日本の輸出企業は業績が上がり、投資が呼び込まれ株価も上がるとされています。確かに一時的な影響としてはプラスですが、同時にアメリカの景気が悪くなることで日本に負の影響をもたらす可能性もあります。

まとめ

米利上げが日本にとってプラスかマイナスか、一概に判断することはできません。国内企業の株価は上がるかもしれませんが、円安による輸入物価の高騰は家計を圧迫します。政府は、利上げ観測を元に今後の経済政策に慎重を期すべきでしょう。

執筆者

羅 譲 氏

 羅譲 氏

京都大学法学研究科に所属。修士論文の執筆の傍ら、細々と記事書きの真似事をしております。