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今更聞けない「ブロックチェーン」 Fintechを理解するための第一歩

金融やITの話題で最近のトレンドとなっているフィンテック(Fintech)。ビッグデータや人工知能などのIT技術の発達は、もはや金融サービスを語る上では欠かせないものになっています。今日はそんなフィンテックを支える数ある技術の中でも、大本命ともいわれる「ブロックチェーン」を紹介します。ブロックチェーンは10月3日(月)の日本経済新聞朝刊の金融面にも登場し、今話題の新送金システムを理解するためには、必ず押さえておく必要があります。

ブロックチェーンとは

ブロックチェーンとは、一定時間に発生した取引をまとめたもの(ブロック)を時系列に鎖(チェーン)のようにつなぐ技術のことです。ブロックには1つ前のブロックのハッシュ(データを要約したもの)が含まれており、改ざんを困難にする仕組みになっています。

また、データを分散して管理するのが大きな特徴となっています。

「分散」という考え方は、様々なリスクを回避するための戦略の1つです。企業経営でも投資でも、一点に全ての資産を投入してしまうと、それが破綻すれば全てを失うというリスクを負わなければなりません。

ところで、従来の金融機関の取引の記録、これはどのように管理されているのでしょうか。例えばあなたが10万円を銀行に預けると、その取引データは銀行という1つの中央集権的な機関に保存されます。もしその銀行が消滅してしまえば、もはやあなたの預金通帳は紙切れ同然。このリスクは取引データの分散によって軽減することは可能でしたが、そうすると代わりにデータ改ざんのリスクが生じてしまいます。

この状況に革命を起こしたのが、ブロックチェーンという技術でした。ブロックチェーンは、分散型のコンピュータネットワークにおいて、トランザクション(取引)の信憑性のある合意を成立させることを可能にしたのです。

ブロックチェーンを理解する3つのポイント

①管理者ではなく参加者が管理するということ

金融機関の従来の取引台帳は、金融機関自身がその管理を行っていました。しかし、ブロックチェーン上では、参加者全員で取引台帳を管理していくことになります。取引台帳を全員で管理しているため、データの改ざんはすぐにわかってしまいます。

②コストゼロの決済を実現すること

ブロックチェーン上の取引においては、第三者機関の仲介を必要とせず、当事者間の取引となるため、低コストで決済を実現することができます。近い将来、取引手数料の概念がなくなる時代がくるかもしれません。

③金融以外の分野にも広がる可能性があること

ブロックチェーンは元来、仮想通貨ビットコインを支える技術として誕生しました。しかし、参加者全員で監視しあうという考え方は、不動産の所有権の管理や国民投票のシステム作りへの応用など無限の可能性をはらんでいます。

銀行間の送金にブロックチェーン導入が進む

現在、銀行間の送金や決済は、国内においては「全国銀行データ通信システム」が担い、海外へは国際銀行間通信協会(スイフト)のシステムが利用されています。これをブロックチェーン技術による新たなシステムで一元化する動きが進んでいます。

新システムが導入されれば、送金や決済が24時間365日可能になり、手数料を大幅に削減することができます。横浜銀行と住信SBIネット銀行が構築を検討しているこの新システムには、2016年10月3日の時点で三井住友信託銀行やりそな銀行など計38行が参加する見通しです。

来年3月にはシステムを稼動する計画で進んでいます。ブロックチェーンの恩恵を間近に感じる瞬間は、もうすぐそこまで迫っているかもしれません。

執筆者

久保 謙太郎 氏

 久保謙太郎 氏

中央大学法学部政治学科4年。ゼミでは環境保護と企業成長の両立について研究。学生時代は国内旅行と読書に明け暮れる傍ら、中小企業診断士を目指す。