• ホーム
  • インタビュー
  • 社長をチャレンジさせ続け会社を成長させることがCFOの価値 その言葉を胸に挑み続ける想いとは

社長をチャレンジさせ続け会社を成長させることがCFOの価値 その言葉を胸に挑み続ける想いとは

01top_smartlend5

ベンチャーや中小企業等、事業融資が必要な借手企業と個人投資家を繋ぐソーシャルレンディングサービスを提供するスマートレンド株式会社。その代表を務めるのが栁澤修さんだ。栁澤さんの人生を振り返っていただき、初めて就職した監査法人から日本インテルのCFO就任、そこからの起業に至るまでをじっくりと語ってもらった。ブラジル生まれアメリカ育ちという燦たる経歴をもつ柳澤さんは、どのように人生の選択をしてきたのだろうか・・。

米監査法人からGEへ
追い求めた現場力と並大抵でない努力の先に見えてくるものとは

―監査法人からGEへ移ったきっかけを教えてください
「事業会社の現場で仕事をしたいという思いからでした。アメリカの監査法人は3年目で主査となり、若くても何でもチャレンジさせてもらえる素晴らしい環境でした。業界全体を俯瞰して見つつ、会社独自のリスクを勘案しながら、監査プログラムを作成・実行して行く。様々な業種や経営陣に接する事が出来て大変勉強になりました。ただ私はもともと事業会社の経営に興味があったので、第三者の立場からの問題提起だけでなく、現場が実際に直面している経営課題を自ら解決し会社の変革を促して行くことがしたかったのです。その想いが強かったので移ることを決意しました」

―いざ現場に入られていかがでしたか?
「GEに入社して初めの2年間は社内の内部監査・コンサルティング部門で働きました。4か月単位でプロジェクトに参画し、その中で課題を抽出し経営幹部に改善策を立案し、実行しなければならず、かなりプレッシャーが強く大変な仕事でした。みっちりしごかれましたね(笑) 多くの現場の方々も問題があることを認識しているのですが、具体的にどこからどのように変えて行かなくてはならないか分からず足踏み状態。その中でビジネスを前に動かしていく難しさ、そして楽しさ。今思えば、この期間はこの先の自分の原点となりましたし自分を大きくさせてくれた貴重な経験でしたね。」

CFOは良き参謀としてのビジネスパートナー
CFOに必要な3つの要素とは

内部監査期間を経て、その経験を糧にGE内の他の事業会社の経営企画部長や財務責任者を務め活躍していった栁澤さんに大きな転機が訪れる。M&Aを通じて成長するGEが買収した日本企業のPMI業務を大阪で終え、東京に戻ろうとしていたところに日本インテルよりCFOポジションのオファーがあった。常に挑戦し続ける力強さとCFOの面白さを是非教えていただこう。

―CFOに必要なことはなんだと思われますか?

04interview_smartlend

「CFO役職として重要なのは、利害関係者の信認義務を果たすこと・会社経営プランニングを作成し具現化すること・リーダーシップを取る事の3つではないでしょうか。一番コアで落として行けないポイントが、最初の経営受託者としての善管注意義務。財務諸表の信頼性はもとより、会社の仕組み(ガバナンス)を構築したり、社内ポリシーの適性運用を図ったりと責任は多岐に渡ります。『ヒト、モノ、カネ』を全て任されているので、会社の方向性に沿って、組織構造、責任権限、人事考課、経営指標を明確化して、全体を動かして行く必要があります。ここはかなり奥深いトピックです。2つ目の経営戦略・企画は比較的にイメージし易いと思いますが、CFOとしては1つの大きな腕の見せ所です。そして最後にリーダーシップ。リーダーシップを発揮することもそうですが、リーダーを育てることもその重要な1つであると思います。GE時代には、『リーダーを育てないと次の上のポジションには行けないぞ』と言われてきました。自分が部下と共に育たないと、組織全体が育たなく、その責任は上司にあるという事です。それを今度は個人だけでなく、組織全体に置き換えて考える必要があります。でも、CFOは一番横断的に組織が見られるので、やりがいのある仕事ですね。」

―ではCFOに求められる資質や人格はどうでしょうか?
「個人スタイルの差はあるもの、私は3点あると考えています。リーダーシップ、ビジネス才覚、人材マネージメント。ここでのリーダーシップは、どこまで信条を通して難しくて嫌がる質問を経営陣にするか。そして、不確実性の中で前へ進む力強さと、間違いを認め軌道修正できる謙虚さも重要になってきます。かつて米国にいる上司に『日本社長からクレームがこなければちゃんと仕事をしていないと思うからな』と言われたことがあります。つまり現実を冷静に直視して、社長を常にチャレンジさせることで安住させず、変革を進めるべきだとの事です。信頼関係がないと難しいですが、最終的には社長に判断をして頂く必要があるので、きちんと状況を説明する責任は妥協できないポイントになります。2つ目は、ビジネス才覚。いろいろな動向に注目して想像する力。あらゆる所にアンテナを張り、その散在する点がいつか線になり、やがて面に変わってくる。1つに限定されたと思われる点の現象が、実はより大きな面として展開されることが不思議に理解出来るようになるのです。好奇心・探究心なのかもしれませんが、これだけは教えることは難しいので、地道な努力の積み重ねが必要なのかもしれません。最後に、人材マネージメント。ここは単純に言動に関しては、公平で一貫性を保つという事です。様々な事象を想定して想像することにより、新たな創造が生まれて行くのではないでしょうか。」

03interview_smartlend

面倒な仕事も自ら手をあげて努力せよ
職人気質の社長が挑戦し続けるわけとは

日本インテルのCFOの次は起業を決意された栁澤さん。何社からもオファーを受けていたのにも関わらず起業の道を選んだ根底には、常に自分をチャレンジさせたい意欲と日本の製造業を復活させ、もう一度世界へとの想いがあったのだとか。最後にCFOを目指す人へのメッセージと栁澤さんの今後のビジョンについてお聞きしたいと思う。

―CFOを目指す方へのメッセージをお願いします
「まずアンテナを広く持って様々な仕事にチャレンジして行ってほしいです。CFOは医者に似ている思っています。全体を俯瞰しつつ、まず組織全体の循環が上手く回っていることを担保していき、そこからもっと成長するために何の処方箋を出すかを考えていく。万能薬はないので、きちんと優先順位をつけ、PDCAを回しながら。財務部の業務は実は幅広く、会計、経営企画、審査、資金、税務、内部監査等、多くの部署から成り立っています。これらの部署を一度経験するか、もしくは内容をきちんと理解する。良きビジネスパートナーになる事を意識して従事して頂ければと考えています。」

―最後に栁澤さんの5年・10年先のビジョンを教えてください。
「何をやっているか分かりませんが、常に新たなことにチャレンジしていたいと思います。現在は、ゼロから事業を立ち上げて新たなビジネスモデルを創出したり、アーリーステージの企業等に融資を通じて支援したりと、今までの大企業とは正反対の会社を見ています。そうですね、5-10年後には、優れた技術を持った日本の中小・中堅企業を、海外展開を含めまた世界に復活させたいと考えています。日本の製造業ここにありみたいなインパクトを狙い。まだまだ誇れる技術はたくさんありますが、ビジネスモデルの構築まで十分上手く結びついていないと思うので。このような企業をまとめて支援していきたいです。“業界インサイダー×経営プロ”で新しい世界を切り開いていきたい。その想いで日々精進しています」

02interview_smartlend

【名前】

SmartLend株式会社

代表取締役 栁澤 修(やなぎさわ おさむ)

 

【プロフィール】

アーンスト・ヤング社 ニューヨーク事務所にて幅広い業界の会計監査業務に従事した後、ゼネラル・エレクトリック(GE)社に入社。GEで内部コンサルティング・監査部門(Corporate Audit Staff)を始め、 GE製造及び金融事業子会社で、経営企画部長、財務部長(FD)、買収後統合(PMI)コントローラーと多岐なファイナンス業務を経験。2008年にインテル(株)の執行役員 管理本部長(Chief Financial Officer)に就任し、財務・経理全般を担当。2013年に㈱オデッセイ・デザインを設立して、「IT x 経営」を融合させた新規事業立上げに従事して、新ビジネスをスタートさせる。2015年に㈱SmartLendの代表取締役に就任。事業ローンを通して中小・中堅企業の活性化、経営効率化、国際競争力の向上を目指す。

執筆者

NEXT CFO 編集部

 NEXT CFO編集部

経営者・管理職にCFOの役割を広めたい!CFOが活躍する社会をつくることで、日本経済を活発にしたい!そんな想いでNEXT CFOのメディアを運営しています。