外食ビジネスの特長 事業投資編

今回は、事業投資に焦点を当て、今まで紹介しきれなかった論点も含めて解説していきます。

(ⅰ)投資回収期間について

外食企業が継続的に事業規模を拡大させるには、各店舗が魅力ある業態として存続する期間内(リニューアルまでの期間または業態転換までの期間)に、出店時の投資額を上回る収入を生み出し、再投資の原資とすることが、不可欠となります。したがって、各店舗における投資回収期間について明確な目標を設定し、出店の意思決定の際には達成可能性を十分に検討するとともに、出店後の達成状況を管理することが重要です。

投資回収期間は業態によって異なりますが、一般的に外食店舗の投資回収期間は5年前後と言われています。最近では消費者の嗜好の変化スピードを考慮して3年程度を想定している企業も増えてきています。

投資回収期間を検討する上で、留意すべき事項としては以下のような事項が挙げられます。

・業態や店舗規模、出店立地などの店舗モデルにより、目標とする投資回収期間を明確にすること。

・一般的な指標としての投資回収期間の算定においては、投資額の中に、リース資金や保証金を含んで算定すること。

・店舗別キャッシュ・フローの算定においては、税引き後の利益を用いる事。

 

(ⅱ)出店・退店の意思決定プロセスについて

現在、成長途上にある比較的小規模な外食企業の場合、出店時のシミュレーションについて明確な方針を持っている企業はそれほど多くないと思います。出店立地に関する事前の調査についても、「長年の経験と勘」に基づく意思決定を行っている会社が多いのではないでしょうか。

先に申し上げた通り、外食企業の最大のリスク要因は出店時にそのほとんどが決定しているといっても過言ではないと思います。確かに、慎重なシミュレーションを行っても実際その通りになるかどうかは分かりません。ただ企業として、今後継続的な多店舗化を進めるのであれば、何らかの立地調査のプロセスを社内ルールとして明確に持っている必要があり、そのことが一つの企業のノウハウ、強みとして蓄積していくことになると思います。

立地選定における、マーケティング・競合分析について、社内ルールを選定すること、また収支シミュレーションについてもその方法を自社として確立することが、IPOを目指す企業にとっては必須と言えます。

退店についても同様のことが言えます。店舗がどのような状態になったら退店の意思決定を行うのでしょうか。店舗損益がマイナスになったときは一つの基準と言えます。この時点で何らかの施策を検討し、一定期間経過後にも改善が見られない時には退店の意思決定を行う企業が多いのではないでしょうか。

また店舗キャッシュ・フローも1つの指針となります。店舗キャッシュ・フローがマイナスになっている場合には、営業してもキャッシュが純減していくので、より緊急性は高いといえます。

これらの状態に応じて、どのような状況になれば退店の意思決定をするのかについても、企業としての明確な判断基準が必要です。

執筆者

NEXT CFO 編集部

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