外食ビジネスの特長 資金調達編

今回は、外食産業の資金調達について解説していきたいと思います。突然ですが、外食企業にとっての資金源とは何だと思いますか?その答えは「 営業の儲けから来る内部留保」、「銀行などからの借入」、「オーナーや第三者からの増資資金」となります。

一方で、外食企業にとっての資金需要とは何でしょうか?こちらの答えは「出店のための資金」、「本部費やシステム管理費の費用」、そして「不採算店発生の場合の費用」となります。

事業開始当初は、オーナーの自己資金や中心に資金調達し、出店費用に充てることが多いように思います。企業成長に伴い信用が付き、主に銀行からの借入を行って新店の出店費用に充てることになるでしょう。そのため、成長過程における金融機関の役割とは、主に、企業の信用を評価して、また新店の収支シミュレーションを検討して、出店費用を融資する(またはリースする)ことがメインになると思います。

単純なモデルとしてはこれがよいのですが、本部費や経営管理のための費用はそうすればよいのでしょうか。企業が店舗の収支シミュレーションのみを頼りに、出店費用の名目で銀行借入と返済を繰り返した場合、実際には店舗の収支シミュレーションに組み込まれていない本部費などが発生しています。企業成長に伴い、これらの費用も多額になることが一般的です。

この費用を営業の儲けである内部留保で賄えれば問題ありません。賄えない場合には銀行借入(出店費用として店舗の儲けで返済するはずだった資金)から充当することになります。このバランスが崩れると、企業も銀行も想定していないような収支の悪化につながるので注意が必要です。すなわち、出店資金の融資の場合には、本部費などをどのように調達するかを、新店と同時に考えておかなくてはなりません。

また本部費の資金は、企業の体力強化のための資金として、銀行借入ではなく、増資によって賄うというのも一つの考え方だと思います。

もっと問題になるのは、不採算店が発生した場合です。前に説明した通り、外食企業の資金は開店時にはそのほとんどが使われて、後から資金回収する事業モデルなので、不採算店が発生すると、資金回収のスケジュールに影響を与えます。悪い状況になると、新店の開店資金が、不採算店維持のために使われていることにもなりかねません。

したがって、資金調達の際には、全社的な損益や収支だけでなく、店舗別の収支に注目することが必要です。不採算店がある場合には、当該店舗の必要資金をどこから融通しているのか、その店舗の在り方についてどのような方針を持っているのか、等について慎重に検討する必要があります。

不採算店を閉鎖する場合には、除却損などが発生して損益に重大な影響が出るだけなく、店舗の原状回復費用等の資金も必要になります。これらの資金は銀行借り入れだけではなかなか調達できないのが実態だと思います。この資金は内部留保から拠出する、または企業の体力維持のための資金としてやはり増資などで賄うべきものだと思います。

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NEXT CFO 編集部

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