3C分析の手法

3C分析は、事業戦略の策定時における市場分析のための代表的なフレームワークです。3C分析によりビジネス環境における自社の課題の発見や、自社の成功要因を導きだします。

3C分析では、ビジネスのプレイヤーを市場(顧客:Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)とシンプルに3つに分類し、それぞれを分析します。3c%e5%88%86%e6%9e%90%e3%81%ae%e7%94%bb%e5%83%8f

市場分析では、対象とする市場セグメントの規模や成長性といった市場の魅力度、市場ニーズ、購買プロセスといった市場特性を分析します。競合分析では、競合他社の取り組みやシェア、競争要因が何かの分析をします。次に、自社分析では、自社の経営資源や活動上の強みと弱みを分析します。これらに加えて、経済メカニズムの視点を3C分析に加えると、クリアに物事が見えてきます。

まず、市場分析については、市場セグメントごとの市場規模や成長性だけでなく、顧客視点、例えばスイッチング・コスト(※1)がどうかなど、自社から見て川下にいるプレイヤーを含めての経済学的視点から分析結果を考えます。一口にスイッチング・コストと言っても、家電の買い替え、ブランド物の買い替え、産業機械の買い替え、ゲーム機の買い替えなど、買い替えの対象になる物によって発生してくるコストは変化してきます。(例えば、ブランド物を買い替える場合は心理的なコストが消費者に発生し、ゲーム機を買い替える場合はネットワーク外部性(※2)などを考慮する必要があります。)

また競合分析においては、競合他社に規模の経済(※3)が効いているのかいないのか、参入障壁(※4)が高いビジネスなのかどうかなどの分析を行いましょう。

最後に、自社の分析においても、過去数年分の売上高・利益データの偏りや分散、範囲の経済性(※5)などの観点からの分析も加えていきましょう。

経済学的視点からの分析を活用していくと、分析対象の事業が属する産業においての勝ちパターンがクリアになってきます。このルールが見極められると、自社は果たしてこの勝ちパターンに合っているのかいないのかが分かります。もし逸脱しているのだとしたら、どう克服しないといけないのか、ルールから逸脱しない範囲内で、どのような打ち手を講じることができるのか、というような自社固有の戦略の導出へとつながります。

 

※1 スイッチング・コストとは、顧客が現在利用している製品・サービスから別会社の製品・サービスに乗り換える際に負担しなければならない金銭的、心理的、手間などのコストのこと。一般に顧客は、乗り換えることによる直接的な利益やメリットだけでなく、とスイッチング・コストに影響されて購買の判断をする。ある製品やサービスについて買い替えや乗り換えの提案をする場合には、顧客のスイッチング・コストを理解し、それを低くすることが購買動機を高める有効な施策となり得ます。

※2 ネットワーク外部性とは、同じ財・サービスを消費する個人の数が増えれば増えるほど、その財・サービスから得られる便益が増加する現象を指します。例えばメッセージアプリならば、加入者が増えれば増えるほど、通信できる人が増えていくので電話網利用の便益は高くなり、新たな加入者を引き付けることになります。

※3 規模の経済とは、生産規模や生産量を高めるほど、製品1単位当りの固定費が減少し、製品1単位当りの利益が増加する効果を指します。但し、全ての業界において規模が拡大すれば規模の経済性が実現されるわけではないので注意。経営資源の分散、管理業務の煩雑化、コミュニケーション不足による統制力の欠如といった理由で、規模の拡大に伴う固定費が増加すれば規模の経済は生まれません。

※4 参入障壁とは、ある業界に新規参入しようとする会社にとって、参入を妨げる障害のこと。 具体的な参入阻止要因としては、①既存企業が備える優位性(規模の経済性、ブランド力、技術力、スイッチング・コストの高さなど)②法規制などが挙げられます。 一方、既存企業にとっては参入障壁の高さが、新規参入の脅威を測る指標となります。

※5 範囲の経済とは、事業の多角化において何らかの経営資源を共有することで、コストを抑えることを指します。例えば、自社が既存事業において有する販売チャネル、ブランド、固有技術、生産設備などの経営資源やノウハウを複数事業に共用してコストを抑えることが範囲の経済に該当します。単一事業の拡大によって製品単位当たりの固定費を削減する規模の経済とは異なるので注意。

執筆者

NEXT CFO 編集部

 NEXT CFO編集部

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