フェルミ推定と売上予測への応用

売上高は収益の源泉であるだけでなく、コストも売上高に連動してかかってくるものが多いため、事業計画において最も重要な数値です。売上高は、以下の図表のような要素に分解することができるため、要素ごとにその妥当性を検証することで、売上高のロジックを検証することができます。例えば、過去のトレンドや将来の人口動態、規制緩和などの予想される外部環境の変化を踏まえれば市場規模の成長率の妥当性を評価することが可能です。

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また、競合他社の動向などから、業界内のシェアの変動についてもある程度の予想を立てることは可能です。個々の商品単価については過去からのトレンドをもとに妥当性を検証できるし、商品構成の変化については評価対象会社の戦略との整合性により検証は可能です。このように、売上高は構成要素に分解することでその妥当性を検証することができます。

ここで、コンビニエンストアの日販と来客数を例にフェルミ推定をしてみましょう。

日本フランチャイズチェーン協会のデータ(2016年7月度のデータを使用)によると、以下の指標の数値が求められます。(引用元: http://www.jfa-fc.or.jp/particle/320.html)

1か月の売上高:約9,648億円

日本国内のコンビニ店舗数:54,331店

来客数:約15億8112万人

客単価:約610円

また、各コンビニの企業サイトで各店舗の店舗数を調べると以下の数値も得られます。

セブンイレブン:19,044店(2016年8月末のデータを使用。URLは以下に記載。)

http://www.sej.co.jp/company/tenpo.html

ローソン:12,395店(2016年2月末のデータを使用。URLは以下に記載。)

http://www.lawson.co.jp/company/corporate/data/sales/

ファミリーマート:18,240店(2016年8月31日のデータを使用。URLは以下に記載。)

http://www.family.co.jp/company/familymart/store.html

これらの数字を解読してみましょう。

まず店舗数の数値である、約54,331店。「セブン」「ローソン」「ファミマ」の店舗数合計が約50,000店なので、以下の計算より、構成比は91%と大手コンビニのシェアを求めることができます。

(大手3社の店舗数)÷(国内のコンビニ全店舗数)=(大手コンビニのシェア)

約50,000(店)÷54,331(店)≒91(%)

続いて、「1店舗あたりの日販(1日の販売額)」を求めると、以下の計算から約60万円という数値を得られます。

(1か月の売上高)÷30日÷(国内のコンビニ店舗数)=(日販)

約9,700億(円)÷30(日)÷約54,300(店)≒約60万(円)

また、上記で得られた日販の数値、60万円を客単価で割ってみる(計算式は以下に記載)と、1日の来客数が約980人であるということも分かります。

(日販)÷(客単価)=(1日の来客数)

約60万(円)÷約610(円)≒約980(人)

フェルミ推定を用いた売上予測で大切なことは、予測の前提となる数字の妥当性(ここでは概算での数字の正しさを指しています)と、それを基に積み上げていく計算のロジックの妥当性です。慣れるまで時間がかかるかもしれませんが、量をこなすことで確実に上達していく技能ですので、コンサルティング業界の志望者はしっかりと練習をしましょう。

執筆者

NEXT CFO 編集部

 NEXT CFO編集部

CFOを増やすことで日本国経済をちょっとよくしたい! もっとCFOについて、知ってもらいたい。CFOに興味を持ってもらいたい。CFOになろうと考えてほしいと願っております。