人民元安が促す「爆買い」

中国人民銀行が人民元の対ドル相場の目安となる基準値を大幅に切り下げ、世界の市場を揺るがせた「人民元ショック」から1年が過ぎた。元相場はいったん落ち着いたが、中国の個人や企業の投資行動に拭いきれない影響を与えている。

日本経済新聞 2016/8/15

・元の先安観による、香港の中国人投資家による保険商品の爆買いが進行
・中国本土からの訪問客による保険の購入額は1~3月期に132億香港ドル(約1700億円)
・香港は米ドルに連動する「ペッグ制」採用のため、元安が進んでも資産の目減りを防ぐことができる
・海外企業のM&A(合併・買収)にも、元以外に資産を分散する思惑がある
・1~6月期の中国企業による海外企業の買収額は1340億ドル(約13兆円)と前年同期の4倍

インフレで財政を救えるか

ふしぎな経済対策だ。内閣府は景気の「緩やかな回復基調が続いている」と分析。安倍晋三首相も雇用回復を政策の成果と誇る。その首相が過去3番目の規模となる対策を決めた。
背景には憲法改正をにらんだ政権基盤の強化のほかに「財政再建無策」の批判をかわす狙いもあるのではないか。首相は歳出削減や増税を嫌い、金融緩和によるインフレや成長の促進を通じた税収増に期待してきたが限界にきた。そこで財政をふかし日銀と連携して実需を作り、インフレ促進へ出直すようにみえる。

日本経済新聞 2016/8/15

・日本がインフレ率を高める主な目的は財政健全化の余地を作ることだが、この戦略の初めに財政支出の拡大が必要だ
・しかし、財政資金を使ってでもインフレを促すべきなのか。日銀は信用低下にもつながるため否定的だ。
・歳出の大半は物価に連動するのでインフレでも財政収支はそれほどよくならないという意見もある
・政府目標である「2020年度の基礎的財政収支の均衡」(新たな借金を過去の借金の元利払い以下にとどめる)は「実現不可能」という専門家も多く、消費増税だけで対応するなら税率25%が必要

日銀が新手法、内閣府に波紋 GDP統計 透ける課題 新サービス台頭 どう補足

経済の診断に使われる国内総生産(GDP)統計を巡る日銀と内閣府の論争が熱を帯びている。専門家集団を自認する両者の応酬から浮かび上がるのは、日本の統計が長らく抱えてきた課題だ。折しも15日には4~6月期のGDP速報値が公表される。日本経済の健康状態はどう測ればいいのか。

日本経済新聞 2016/8/15

・GDPの推計には内閣府方式と日銀方式がある
・14年度の実質GDPは日銀方式(519兆円)と内閣府方式(490兆円)では30兆円のズレ
・内閣府方式は個人消費や設備投資を積み上げて算出
・日銀方式は住民税や法人税などの納付状況から算出(米国では税務情報を活用)

森・浜田、タイ法律事務所を買収

大手の森・浜田松本法律事務所が年内にタイの大手法律事務所を買収する。国内法律事務所が海外大手を傘下に収めるのは初めて。国内大手はアジアに自前の拠点を設けて少しずつサービス拡充してきたが、森・浜田松本の動きを契機にアジアを中心とした国際展開がより活発になりそうだ。

日本経済新聞 8月15日

・東南アジア最大の投資先であるタイに勝機。初の海外事務所とのM&Aが実現。
・チャンドラー&トンエックの全株式を買収。現地法人の弁護士が一挙に10倍体制に。
・森・浜田は米英系や中国系の巨大事務所の経営統合に追随。国内各事務所も反応。
・TMI総合は100億円の資金調達。5カ年計画へ向け前進。

「中国的経営」に国際的関心

近年の中国経済の急速な成長と中国企業の激増のために、中国的経営に関する研究に国際的な関心が高まってきている。

日本経済新聞 2016/8/15

・企業数と資本金額は毎年10%の成長率。企業数1678万社は日本の約4倍。
・欧米とは異質な独自の経営理論(経営原理・人や組織の行動)が必要とされる。
・経済・市場の制度が未成熟であるが故の「関係主義」。親密な個の人脈が重要。
・最も注目されるは、中国企業の海外直接投資。ハイアールによる三洋電機の事業買収は記憶に新しい

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NEXT CFO 編集部

 NEXT CFO編集部

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