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次世代リーダー・経営者の輩出を目指すNEXT CFOメディアの役割

一般的に、CFO(財務最高責任者)は「経理・財務部長や管理部門の責任者が昇格してなるものであり、会計の専門職でさえあればいい」というイメージがあります。

本来CFOは、経営上の意思決定(経営資源を自社のどの分野に集中し、どうやって資金を調達するか)を判断する経営者的な役割をもつ専門家です。

 

 

会計・ファイナンススキルを駆使して企業の継続を助け、企業価値を上げていくCEOのパートナー

CFOとは「Chief Financial Officer」の略で、日本語に訳すと「最高財務責任者」になります。

CFOは「専門家」というイメージが比較的強いと思いますが、一方で「経営者」でもあります。会計財務と言う専門スキルをもった、経営者=CFOです。またCFOは「守備」のイメージが強い印象だと思いますが、一方で「攻撃」も行います。つまり資金調達をしながらCEOビジョンに沿ってCEOと共に事業を遂行します。


ですからCFOはサッカーのポジションに例えるならゴールキーパーやセンターバックではなく、攻撃も守備も行う「ボランチ」に近い。あるいは、このCFOの二面性をもって、一橋大学大学院の伊藤邦雄教授はCFO=「正統なる二重人格者」と表現されています。

「専門家」⇔「経営者」、「守備」⇔「攻撃」と言うマトリックス(図1)を想定した時に、第1象限「経営者」「攻撃」はどちらかと言うと、中小企業のCEOに多いイメージでしょうか。

「経営者」「守備」は社外取締役、社外監査役が当てはまります。「専門家」「攻撃」はコンサルタントが該当します。「専門家」「守備」はいわゆる管理部長なのかと考えています。

その上で、CFOは第1象限から第4象限までを機動的に行き来できる人材。といってもいいでしょう。

(図1)

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NEXT CFOへの想いでも書きましたが、企業の持続と、成長は非常に難しいテーマです。CFOは企業の持続的成長と向き合い続けるわけですが、経営管理能力が不足するあまり、企業の持続性を担保できない。あるいは、金融や財務戦略の知識に乏しいために成長に必要な資金を調達できない。これらボトルネックをいかに解決するか、その手腕がCFOに問われます。

日本経済の先行きが見込めずまた、ヒトとカネの情報がボーダーレスとなる中で、どのように企業の持続的成長を果たしていくのか、CEOと共に考え続けることがいま、CFOに求められているのです。

 

CFOは2人目の経営者。財務のことだけやればいいのではない

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いわゆる「財務」と「会計・経営管理的なリテラシー」にだけ詳しい人はCFOとは呼びません。経理部長や財務部長といわれる方々は、その部門に『強い』専門家でしかない。

CFOは、社長がいないときは1人で経営の舞台に立ち、切り盛りできる人。CFOとは、社長と同じ役割が果たせるレベルの経営人材なのです。

CEOとCFOの役割は重なっている部分がある

CEOとCFOの役割は、円を描くと完全に分かれているものではなくて、部分的に重なっているのですね。役割が重なっていて、異なるのは得意分野のウェイトだけ。CEOとCFOは全く異なるものではないのです。

 

企業におけるCFOの変遷

1970年代から1990年代:CFOはある意味不要だった

1970年代から90年ぐらいまでは、日本全体がマクロで伸びていました。人口ボーナスといわれる需要が右肩上がりに上がっていき、基本的に資金調達では「銀行が安心である」といわれていたんですね。

銀行は、企業や企業が所有している資産に対しても、担保をとって貸していた時代だったのです。

企業には、ステークフォルダー(利害関係者)が360度いるわけではなくて、銀行とだけ信頼関係を作っておけば、事業に必要な種銭が作れたという時代でした。

ある意味、1人のスーパースター(=創業者・社長)が他社からのチェックも受けず、会社を傾かせるリスクも負わずに経営ができていた時代だと思うのですね。

1990年代から:事業を資金面からけん制する専門家=CFO

90年代以降は、バブルもはじけ、銀行もつぶれ、銀行が企業にお金を貸すことが簡単ではなくなってきました。銀行と企業がもっとコミュニケーションをとって、健全に資金を集めるという行為がより一層必要になったのです。

しかも、銀行からの資金調達ではない新しい種類の資金調達をする必要が出てきた。株主からお金を集めることが必要になってきたということですね。

株主が相手の資金調達は、資本市場相手の資金調達が必要になってきたということ。

今までは、銀行と良好なコミュニケーションをしていくだけでよかったのが、資本市場ともコミュニケーションしていくことが必要になってきたのです。

このとき、資本市場とコミュニケーションをするための非常に専門的なコンテンツ(財務諸表など)を勉強することが急務になってきた。

これら全てを社長が勉強して、従来通りに事業をまわし、銀行や資本市場から資金調達をし、コミュニケーションをとるのは相当難しいことです。

つまり1990年代からは、事業をまわす側と資金面からけん制する側とが一緒にやっていかないとリスクが高くなってきたのですね。

そのけん制側にいるのがCFOなんです。事業をまわす側を資金面からけん制するわけですから、立場としては経営者と対等になりますよね。

 

須原が分析するCFOの理想と現在のギャップ

完璧なCFOは経営の4象限全てを満たしている

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CFOは4象限マトリクスでいうと縦に財務リテラシー・経営管理、横にリーダーシップ・事業をまわすがあります。この全てを満たしているのが完璧なCFOです。

4象限全てのリテラシーをバランスよく摂取している人材は、マーケットにあまりいないんですね。

4象限のポイントを申し上げると、横の「リーダーシップ」「事業をまわす」部分では、リーダーシップ人材でない人材はCFOとは呼べません。リーダーシップ人材でないということは、経営人材ではない。

こういう人材は、経営側からお達しがあった場合にそれをスコアリングして、意思決定の材料をきちんと出せるというところまではいきます。

でも、経営者と一緒に意思決定はしない。一緒に意思決定するのがCFOなので、それができないということはCFOではありません。

経理部長とか財務部長は、おそらく20年前ならCFOと名刺に書いていたかもしれません。彼らが「経営者の参謀」であり、「事業を資金面からけん制するキーパーソン」というふうに見えていたと思うのです。

彼らと理想のCFOでは、「リーダーシップ」・「事業を見る見ない」という2点で決定的に違っています。

理想のCFOは、財務リテラシー・経営管理リテラシーに加えて、リーダシップがきちんと実践でき、社長と一緒に事業をまわせるかどうかがポイントなのです。

 

CFOに必要な能力は企業規模で変わる

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大企業のCFO:持続的成長のためのポートフォリオ管理
大企業の定義も様々なので、上場しているエスタブリッシュメントな企業を大企業と呼ぶことにします。

この規模の企業になると、企業が持続していくための基本的なインフラは全部整っているので、会社がつぶれてしまうリスクは高くありません。

大企業で重要になってくるのは、「リソース(=お金)をどの事業・タイミングではっていくのか」の配分ですね。大企業のCFOに求められる決定的な能力は、資本投下のタイミングと投下資本の適切な管理です。

「どの事業」に「いつ」「いくら」はるかをCEOと一緒にプランニングし、成長するためのポートフォリオ管理ができないときついです。

中堅・中小企業:合理的に予測可能な範囲の未来を語る能力

中堅、中小企業は、どの事業にいつ、幾らはるということを選択できるほどの余裕がありません。

ですので、CFOに求められるのはリソースを配分する能力よりも、市場や銀行から信用・信頼をもらい続けるコミュニケーション能力が重要です。信用・信頼を得た上で、実際に資金を調達しきってくる能力ですね。

具体的な最低ラインは、客観的にファクトベースで足元の数字についてはきちんと伝えること。ごまかしも、粉飾もなく、色もつけない。

自社の足元について、金融機関と誠実なファクトベースのコミュニケーションが取れることがありますね。

足元をファクトベースで伝えた上で、「未来の話だけれど、我々はこの数字を仕上げていく蓋然性がある集団です。」というコミュニケーションもできないといけないわけです。合理的に予測可能な範囲の未来を語る能力もいえるでしょう。

 

まとめ:CFOとは企業の持続的成長におけるマスターピース

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冒頭で、CFOと社長は全く別の役割なのではなく、役割として重なり合う部分があるというお話をしました。

社長は、リーダーシップ人材としてのウェイトが高く、求心力・市場を見る目・ビジョンがあれば成り立つが、CFOは、財務や経営管理といったテクニカルなウェイトが高いと。

バブル崩壊以後、企業規模の大小に限らずリーダーシップ面に長けた経営者だけによる持続的成長は困難な状況になっています。資金調達面でも投資資金の管理面でも経営者の参謀になるCFOの存在が欠かせないのです。

実際、現在のベンチャー企業や中堅・中小企業のゾーンでは、「CFOからまず探す」というぐらいに定着しつつあります。「CFOが企業に必要な存在である」ことが、一般的になったといっても言い過ぎではないでしょう。

CFOは、財務リテラシーと経営管理リテラシーを併せ持つリーダーシップ人材です。企業の持続的成長におけるマスターピースとしての役割は今後ますます重さを増していくでしょう。